プロ野球キャンプが盛り上がっている中、黙々と練習を重ねているのが高校野球の選手たちです。来月20日に開幕する春の大会に向けて、「冬のトレーニング」に取り組む高校を紹介します。まずは名護高校です。
来月20日に開幕する春の大会では、初戦で浦添と対戦する名護高校。去年の秋の大会では、主力選手にインフルエンザでの欠場が出たこともあり、2回戦で敗れ、目標のベスト8には届きませんでした。
名護 大城匠主将「ベスト8まではいきたいという話だったので冬トレ頑張って春はまず目標をクリアしたいという意識でこの冬取り組んできた。その悔しさをばねに、春に向けて行っている冬の練習。」
今のチームは線の細い選手が多いこともあり、体格をつけて得点力を上げなければならない課題があります。
そして、もう一つ。ピッチャーの負担を減らし、試合時間を短縮するため、今年から全国の高校野球で、試合で使えるバットが新しい基準になりました。従来より最大の直径が3ミリ細くなり、金属が分厚くなったことで、当たっても従来よりボールが飛びにくい構造になっています。
こうしたことから、初めて全体練習でウエイトトレーニングを取り入れました。朝6時半からの朝練を中心に、ブロックを使ったトレーニングや坂道ダッシュなど上半身・下半身まんべんなく鍛え、毎日全員で体づくり。
バッティングでは、今まで以上に芯に当たらないと打球に勢いが出ないため、金属よりも細くて飛ばない竹で作られたバットでミート力を鍛えています。
そんな中、この冬に力をつけてきたのは、2年生のウォーカー・敬秀・ブラッドリー。中学でも高校でも公式戦の出場経験がなかったウォーカーは、去年秋の大会、1回戦の9回に初めてマウンドに上がりました。
名護 ウォーカー・敬秀・ブラッドリー選手「思い切り投げて打たれたけど、それでもまあ楽しかった」
結果的にはヒットを打たれ、バッター1人で交代となりましたが、公式戦の舞台を経験したことで、冬の練習にも火が付きました。
1・2年生合わせて20人の選手の中で、率先して自らを追い込み、この冬だけで体重が75kgから80kgに、高校に入ってからは11kgも増量し、確かな成長の実感を得ています。
名護 ウォーカー・敬秀・ブラッドリー選手「トレーニングをしていて球速が上がっているのを実感できるので効果は出ているので、ずっと続けていきたい。悠には球速だけでは負けたくないので勝ち取りたい」
そして、同じ学年の池宮城悠と背番号1をめぐるエース争いも演じるようになり、それがピッチャー陣、野手陣とチーム全体で他の選手たちの刺激になっています。
名護 池宮城悠選手「体格もよくなっているのですごいなと思う。敬秀の何倍も努力して頑張っていきたい」
名護 大城匠主将「悠1人に頼りっぱなしだったけど冬の間で敬秀が頑張ってくれたので他のピッチャーもレベルが上がって、ピッチャー陣が頑張ってくれたおかげで野手陣もレベルアップすることができた」
秋の経験を糧に黙々と鍛錬を積む名護ナイン。チーム内の競争が全体の意識レベルを押し上げ、冬の成果を示す春が近づいています。