まずはこちらをご覧ください。視聴者が撮影した映像を投稿するQABの「スクープ動画」に届いたものです。カモの一種・バリケンと呼ばれる鳥です。映像では分かりづらいのですが、左側の口のあたりに、実は釣り針が刺さっています。
この映像を、送っていただいた方から、「どこに相談していいのか分からない」と助けたいけど困惑が混ざったメッセージがありました。QABは、この映像が撮影された首里城公園にある龍潭に向かい、バリケンを探すことにしました。
「龍潭」は首里城から北西に数百メートルほど離れた地点にある広大な池です。龍頭(龍の頭)の形に造られたことが名前の由来とされています。池のまわりには多くの木々が生い茂り、コイやカメなどが生息していて市民憩いの場になっています。
この穏やかな場所に「心配な状況の鳥を見た」というのです。今月中旬、「バリケンの口に釣り針のようなものが刺さっていてどうにかしてほしい」と視聴者からQABに情報が寄せられました。取材班が池で撮影を続けていると。
常住智史記者「あ、いました。口元に釣り針にようなものが刺さっているのが確認できます」
池を泳ぐ白い鳥を見つけました。カモ科に分類される鳥類の一種「バリケン」です。よ~く見ると口元には釣り針のようなものが刺さっています。頭部の毛も抜け落ち、少し元気がない様子にも見えます。なんとも痛々しいバリケンは視聴者から寄せられた情報と一致します。
おととい(24日)は、首里城公園を管理している関係者が釣り針が刺さったバリケンを探していました。龍潭では22年前から釣りが禁止されていて、注意を促す看板も設置されています。近くに住む人たちの話では朝方や夕方に釣りをする人がたびたび目撃されていました。
「釣り針」は本来、池にあるはずのないものです。龍潭で見られるバリケンはこの場所に住みついているわけではなく飛んで別の場所を行ったり来たりしていることがわかっています。動物がエサと間違えて飲み込んでしまえば、最悪の場合、死に至るという危険性も考えられます。
基本的なマナーを守るということを心がけなければなりません。
首里城公園を管理している「美ら島財団」では、今後、けがをしているバリケンを見つけ次第、保護して、口元に刺さった釣り針をはずす治療を行うということです。