このところ毎日のようにお伝えしているのが「ダムの貯水率」です。きょうは48.5%と半分を割った後も減り続けています。それでも今では蛇口から当たり前のように出てくる水ですが、沖縄には毎年のように渇水に見舞われ慢性的な水不足に悩まされてきた過去があります。
沖縄の水不足の歴史を振り返ってみます。
「本土復帰後の大渇水」(1981年7月10日~1982年6月6日)
まず「本土復帰後の大渇水」といえるのが1981年7月から1982年6月にかけて沖縄本島でなんと326日も続いた給水制限。これは日本の上水道では最も長い日数とされています。
この時は何もせずに断水を迎えた訳ではなく実は自衛隊の航空機を使った「人工降雨作戦」という取り組みも行われたのです。これは雲の上から雨粒の種となる微粒子を撒いて人工的に雨を降らせる作戦だったのですが、努力むなしく残念ながら雨は降りませんでした。
「沖縄本島1994年の最後の断水」(1994年1月28日~3月1日)
離島でも渇水により給水を制限したり夜間断水をしたりと水不足への対応に追われたことが多かったのですが、沖縄本島で今のところ最後に断水が行われたのは1994年です。この時は2カ月ほどの期間で午後10時から午前6時までの夜間8時間断水だったということです。
夜中にトイレに起きても水が流れないのでバケツに水をためておいたり浴槽の水を使ったりと各家庭で対応するしかなかったのです。
「またも2004年に水不足のピンチ」
水不足によるピンチはまだまだ続きます。今度は2004年3月です。この時も雨が降らずダムの貯水率が今と同じように50%を切ったタイミングで夜間の8時間断水が決まっていました。
当時の映像を見てみると断水を前にホームセンターには節水グッズが並んでいました。この時の品揃えは「ポリバケツ」や「ひしゃく」などで飛ぶように売れたそうです。しかし、この時は断水になる直前に沖縄本島にまとまった雨が降り、断水にならずに済んだということです。やはり雨に勝るものはないということですよね。
「令和の節水グッズは?」
それから20年が経ちましたが、またも水不足となった令和の今やはりホームセンターには節水グッズが並んでいます。見てみましょう。
メイクマン浦添本店國吉勇介さん「令和の節水グッズをご紹介します」
この店では先月末から特設コーナーを設けています。売り場には節水グッズがズラリ。
メイクマン浦添本店國吉勇介さん「一番売れている商品はシャワーヘッド」「低水圧なので節水になる分水圧が弱くなるんじゃないのという声もあるが、ちゃんと水が出るようにイメージとしてはホースの先を強くつぶすと水が強く出てくる原理で節水しつつ勢いをそのまま強くする」「値段はホースとセットで安いものは3千円前後から」
「トイレも節水タイプになっていて水の量が4.8リットル何十年も前の機種になるとタンクの容量が10リットル近くのものもあるので大小の切り替えなしで10リットル近くの水で洗い流すよりは今のものは半分以下になっている」
「限りある資源を大切に」
また有機フッ素化合物が除去できるとする浄水器の売れ行きも好調だということです。ダムの貯水率が20年前と同じように50%を割っても断水にならないのは県企業局によりますと当時は9つだったダムが2つ増えて11になったからだそうです。海水淡水化施設の存在もあります。いずれにしても水を大切にしなければならない状況が続き改めていつもの生活は決して当たり前ではないことに気がつきます。
水だけでなくすべての資源には限りがあることを心に刻んで大切に使っていきましょう。