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2026年秋に完成することを目指して再建が進められている首里城正殿で今年注目される工事の1つが屋根を彩る「赤瓦」の製造です。5日前に瓦を焼く作業が始まり、2月6日にでき上がった完成品が窯出しされました。

島袋瓦工場・島袋義一社長「焼き締めている証拠です。あんまり中が焼けていないものはぽこぽこという音がするんですよ」

沖縄県与那原町にある島袋瓦工場と当山瓦工場の2カ所では令和の正殿に設置する赤瓦を焼き上げる作業が2月1日に始まっていて2月6日に約2千枚の瓦が窯から取り出されました。

1030度の高温で3時間焼き締める工程を含む30時間ほどの「焼成」を経て3日間、窯の中で冷やされた瓦は、窯に入れた時の灰色から屋根を彩る鮮やかな「朱色」へと変化していました。

瓦の原料には5年前の火災で焼けた瓦を砕いて粉状にしたものも配合されていて、平成の復元に込められた「思い」も令和の復元に引き継がれます。

当山瓦工場・当山詠樹さん「みなさんの思いを形にしてこの瓦に詰められたのは良いことかなと思う。前の首里城の赤瓦よりも…というわけではないが、今回も素敵な赤瓦だと言ってもらえるような瓦になればいいかなと思う」

窯出し後には焼き上がって完成した瓦のなかから10枚を選んで寸法や重さを測ったり、給水率を調べたりする検査が行われました。今後、強度を確かめる試験や目視による品質検査を経て厳しい基準をクリアした6万枚の瓦が令和の正殿に使われます。

赤瓦の製造は八幡瓦工場をあわせた与那原町内3つの工場で4月まで続き、早ければ6月ごろ瓦を葺く作業が始まることになっています。