続いては、「リュウキュウの自然」です。案内は動物写真家の湊和雄さんです。よろしくお願いします。
湊和雄さん「よろしくお願いします。」
今回のテーマは「チブサトゲグモの世界」です。すごい名前ですね!
湊和雄さん「ちょっとドキッとする和名ですが、とても興味深いキャラなんです。一年で最も寒い時期を迎え、昆虫やクモなどの姿もあまり見られませんね。しかし今回紹介するチブサトゲグモは、小さいので目立ちませんが沖縄ではあらゆる場所にいて最も数の多いクモかもしれません。真冬でも活動しています。」
さっそくVTRをご覧ください!
湊和雄さん「チブサトゲグモは、網を張るタイプのクモです。尾の先端近くから糸を出して網を修復していますね。」
本当ですね。
湊和雄さん「これは網の上を移動しているところです。」
歩くのが上手ですね!
湊和雄さん「タテ糸は粘着性がなく、その間に張られたヨコ糸には粘着性があり、これで獲物を絡めとります。」
自分は引っかからないのでしょうか?
湊和雄さん「粘着性がないタテ糸を歩いてますね」
湊和雄さん「歩いていたクモが静止、正面から見たところです。」
不思議な姿と色をしていますね。
湊和雄さん「じつは、これは珍しいパターンなんです。つづいて、こんな色彩や模様のものも見られます。睨んでいる顔のようにも見えますね。」
白い部分が目のようですね。色も先ほどよりも鮮やかです。
湊和雄さん「逆に、かなり黒っぽい地味なパターンもあります。しかし、どのパターンも目玉模様だけは共通していますね。」
こうやって見ると可愛らしいですね!頭は下になるんですか?
湊和雄さん「そうですね。こんなバリエーション豊かなチブサトゲグモ。いろんなパターンがあるので連続して見てもらいましょう。」
本当に様々な色彩と模様のクモがいますね。鬼みたい、頭と体のバランスも違うんですね!
湊和雄さん「19匹のクモが出てきました!ところで、網を張るクモですからそのエサが気になりますよね?」
そうですね。
湊和雄さん「このクモは食事中のようですがエサが小さくて種類まではわかりません。クモの仲間は体内で消化するのではなく、口から消化液を分泌して体外で分解し、その液体を飲み込む生活をします。このエサはかなり分解が進んだ状態のようです。」
糸でグルグル巻にされていますね。
湊和雄さん「こちらもやはりどのようなエサなのか分かりませんね。」
湊和雄さん「このクモが食べているエサは、ミツバチのようでした。」
体に対して大きなエサですね。
湊和雄さん「ところで、この状態は何かに似ていると思いませんか?」このクモの映像をSNSにアップしたところシーサーに似ているという人が少なくありませんでした。特にこのミツバチがシーサーの胴体に見えませんか?」
湊和雄さん「ペアのシーサーは、オス(口が開いている)は災いを遠ざけ、メス(口が閉じている)は、福を招くとも言われています。ところで、このチブサトゲグモは口の開けているオスと似ていると思うのですが、どうですか?」
湊和雄さん「実は、今日紹介したものすべてメスなんです。ちょっと惜しいですね」
湊さん、今回も貴重な映像ありがとうございました。以上、リュウキュウの自然でした。