発生から2週間あまりが経過した能登半島地震。この地震により石川県ではきょうの午後2時現在で災害関連死を含め死者232人が確認されています。また、21人の安否がいまだわかっていません。
また1万5000人あまりが避難所での生活を余儀なくされるなど深刻な被害が続いている被災地に支援のため入った沖縄の医師と看護師が現地の状況と今後の課題を語りました。
元日に発生し最大震度7を観測した能登半島地震。
石川県では家屋の倒壊や道路に亀裂が入るなど数多くの被害が出ました。厳しい寒さが続く中、多くの人が避難生活を余儀なくされています。そして2週間あまりたった今も被害の全容が明らかになっていない状況です。
牧港中央病院 洲鎌盛一医師「道路だけではなく建物の倒壊があったり、玄関のところには「危険ですよ」という札が貼ってあったり、まだ余震とかある中でその中で暮らすというのは住民にとってはできないような状況だった」
被災地の状況を詳細に話すのは牧港中央病院の洲鎌盛一医師。
洲鎌医師は県医師会から派遣された医療救護班の第1陣のメンバーとして6日間、被災地で活動しました。
洲鎌医師は避難所の巡回診療業務などを能登半島の西側に位置する志賀町で行いました。志賀町は地震で震度7を観測した地域で、断水が続き、トイレが使えないなど衛生環境の課題のほかインフルエンザや新型コロナなどの感染症が発生した状況もあったといいます。
牧港中央病院 洲鎌盛一医師「巡回診療が主な目的だったが、コロナの患者とインフルの患者が施設で発生したのでその対応が予想外の対応だった」
同じく被災地に派遣された看護師の常住実穂さんは石川県庁で現地に応援で入った医療関係者の調整や被災地の情報収集などにあたりました。
牧港中央病院・看護師 常住実穂さん「能登の北部に関しては連絡がまだとれないところがあるのが一番驚いたところ」「まだ十分に何が必要かというニーズがわかりきれてない部分もたくさんあると思うので、J-MATのチームで避難所をしっかり巡回して何が必要なのかを洗い出していく必要もあると思う」
依然として被害の全容が明らかになっていない被災地。全国各地から支援物資などが届けられていますが、きめ細やかな支援を続けるために医療従事者の視点から不足していると感じるのが「マンパワー」だと言います。
牧港中央病院・看護師 常住実穂さん「発災直後気を張ってずっと頑張り続けている人たちも疲れが見え始めているので休ませてあげる、そのためには継続的に支援をしていきながら、今後少しずつ通常の業務ができるようになるまではしばらくは支援は必要だと思う」
牧港中央病院 洲鎌盛一医師「現地で(避難施設を)管理している区長などのスタッフの疲労もかなり出てきていると思う。なかなか長期に渡って高齢者がいる施設を運用していくのは精神的にも肉体的にも疲労は重なっていると思う。その辺の援助も必要だと思う」
そして被災地の状況を目にした洲鎌医師は今回の地震を通して、普段沖縄にいる私たちも災害が起きたときの備えを考えないといけないと話します。
牧港中央病院 洲鎌盛一医師「町と住民が協力して助け合うというところがあって、1つの避難所に160人いるがそこでしっかり避難した人たちを管理できている」「(沖縄の)各地域で避難所でそういう管理体制がとれるのか、運営ができるかどうかは今後私たちは検証していく必要がある。そこは強く感じた。」
大きな被害を受けた被災地に思いを寄せて今何が求められているのかというニーズをとらえて適切な支援をすること。それと同時に今回の地震を通して、災害時自分たちはどうするべきなのか。沖縄にいる私たちも今一度しっかり考えていく必要があります。