首里城の再建を追いかける「復興のキセキ」です。今年1月にスタートして気づけば12回目です。もう1年になるんです早いですね。
これまで様々な視点から取材をしながら、時にはスタジオにゲストを招いたりして令和の復元を見つめてきましたが、今年最後の「復興のキセキ」は首里城の再建現場から中継です。玉城アナウンサーに伝えてもらいます。
玉城真由佳アナウンサー「復元工事中の正殿のすぐ隣からお伝えしています。」「進捗状況に驚かれた方もいらっしゃるかもしれません。令和の正殿、もうこんなに形づくられているんです」
「現在は、基礎の上に「柱」や「梁」といった木材をくみ上げる「建方工事」が終盤を迎えていて9月から1階、2階と作業が進み、現在は地上からおよそ14m、3階部分の工事中です。」
「こうして見ると正殿が小さいように見えるかもしれませんが、そうではありません。正殿の幅29m、高さ18m(奥行21m)広さはバスケットボールコートよりも一回り大きいです。」
「巨大なのが、正殿をすっぽり覆う「素屋根」です。」(普段は関係者しか入ることができませんが今回特別に許可を得ています。)
「木造建ての正殿を雨や風から守り天候に左右されずに作業をするため建てられ、3階建ての正殿の高さに合わせて作業ができるよう素屋根も3階建てです。」
「再建の狼煙」があがった去年11月の起工式から1年。3年後の完成に向かう首里城の1年間をVTRで振り返ります。
大きな船から、トレーラーに載せられた木材が荷下ろしされました。これが首里城正殿を支える柱になります。国産のヒノキで、この時搬入された木材は大きいもので長さおよそ8m、重さ600kgほどです。倉庫に収めるのも一苦労でした。
出荷する時に厳しい基準をクリアしたにもかかわらず、搬入後も木に含まれる水分の量や、傷がないかなど細かな試験が行われます。「令和首里城」の印が「正殿に使える木材」ということを示す『合格の証』です。
県首里城復興課 嘉数昌寛班長「やっと一歩が踏み出せた。歩み始めたというところの安心感、安堵感がある」
今年3月、選りすぐりの木材で溢れる木材倉庫内では、宮大工の手で着々と加工が行われていました。屋根のそり具合など、設計の図面上だけでは読み取れない細かな部分を確認するために作られる「原寸図」を引く作業もかなり重要な作業です。
令和の復元 棟梁 近藤克明さん「できればカーテンをつけてほしいなというのが本音ですけど」
令和の復元のテーマは「見せる復興」職人技を間近に感じることができます。
4月、モノレールの車内、工事の本格的なスタートから3カ月、きょうの「中継場所」が姿をあらわしました。「素屋根」は戦前の首里城の修理時、平成の復元時にも建てられましたが令和の時代にパワーアップしてお披露目されました。
今年8月、3階建ての「見学エリア」もできました!(階ごとに見える工事の状況も変わります。)
見学者・女の子「柱みたいなものがすごかった。なかなか見られないのが見られてこんな風に(復元を)しているんだなと思った」
Q 間近で見られてしかもサービス精神旺盛に! 宮大工・後藤史樹さん「楽しいよ~エネルギーもらう。外でこうやって(ガッツポーズ)やられたりすると頑張らなきゃと思う」
9月4日、クレーンでつるし上げられた大きなヒノキが8人の作業員の手によって柱の台座となる礎石の上に立てられ、本格的な建方工事が始まりました。その後はというと、建物の中心から外側に向かって柱や梁などが立てられていき、正殿の骨格が見えてきました。現在は正殿の3階部分での作業が終盤を迎えています。
大きな木材で溢れかえっていた木材倉庫も、今ではすっかり様変わりです。壁や床などといった造作材をメインに加工する場所になっています。
12月15日 首里出張所 新垣博愛さん「来年の夏前には屋根に瓦が葺かれるし、また壁がはられて、壁・柱には漆塗装がされる。それまでの期間限定ということで「無垢の正殿」がここにあるので、ぜひ、今しか見られない首里城の復興を間近で見てほしい」
玉城真由佳アナウンサー「2023年をぎゅっと振り返りました。」「私も毎週取材で訪れていましたが、建方が始まってからは本当にあっという間でした。」「VTRの間に、2階に降りてきましたが、私が今いる2階部分は宮大工が加工を行う「木材倉庫」と素屋根とが行き来できるようになっています。」
「加工した木材は素屋根に運ばれ、防虫・防蟻を施し、クレーンで一つ一つ手作業でくみ上げられていきました。今後の工事の予定はというとクリスマスを目途に、すべての柱や梁などの軸組が終わる予定です。」
「特にあす、正殿の正面部分に向拝柱が立てられます。それがこちらに並んでいるイヌマキ(チャーギ)です、とても立派ですよね~よ~く見ると加工を施した宮大工さんの名前やメッセージが書かれているんですよ。」
来年は、まず年明けから屋根を支える垂木(たるき)が取り付けられその後、2025年にかけて6万枚の瓦が葺かれます。また、漆塗りも始まるので、一気に往時の姿へと近づきます。
赤い正殿の姿が2024年に見えるようになるってことですね?完成がぐっと近づくような気がしますね。
玉城真由佳アナウンサー「そうなんです。ただ、「白木の状態」の正殿の姿を見られるのは来年6月までということで、できあがってしまうと二度と見ることができない「木の色をした(赤が塗られていない)正殿」を写真に収めておくのも「見せる復興」の楽しみ方の一つと言えそうです。」
「復興のキセキ」では一年を通して首里城の再建を追いかけてきました。再建にかける思い触れることができました。
来園者「早く首里城が見たい」
沖縄県首里城復興課 嘉数昌寛班長「一日でも早い首里城の復元を目指して頑張っていきたい」
技術検討委員会 高良倉吉委員長「今沖縄の県民が首里城の復興を願っている。県民の気持ちも象徴する、したがって沖縄の形としての首里城でも、実際その中にあるのはソフトパワーだと思う。それを大事にしたい」
若手 瓦施行職人 堀切元気さん「登りたい!登って施行をやりたい」
沖縄総合事務局 首里城復元整備推進室長 大石智弘さん「50歳で迎えた令和の正殿着工」
宮大工 山本信幸 総棟梁「30年経って私も成長していますし、新たなメンバーで平成に負けない正殿を復元したい」
大林組 根路銘国一さん「パワーアップした首里城」
宮大工 近藤克明 棟梁「成長した姿を見せたい」
沖縄総合事務局・開発建設部 江崎秀明 営繕監督官「安全第一」
国営沖縄記念公園事務所 與那嶺盛明さん「復元の現場を通して琉球王国の王城ができていく姿を歩いて見て感じることができるのは今しかありません」
国営沖縄記念公園事務所 所長 平塚勇司さん 現代の技術で復元します
沖縄記念公園事務所 末村ゆかりさん「沖縄の宝首里城みんなで盛り上げていきましょう」
被災した収蔵品の修復にあたる室瀬智弥さん「未来に生かしていきたい」
被災した収蔵品の修復にあたる 鷺野谷一平さん「みんなの力を込めて首里城の再建を無事に終えられたら」
首里出張所 新垣博愛さん「火災にあったことは残念なことだが今着々と復元が進んでいるこれを機会にみなさん首里城公園に足を運んでもらって思い出をつくってほしい」
来園者「完成まで3年は待てない!早く首里城が見たい」
玉城真由佳アナウンサー「来年の復興のキセキは画面を通して見せる復興!視聴者の皆様と共にしっかり正殿を見つめていきたいと思います。」