「ETC」、「E」lectronic(エレクトロニック)「T」oll(トール)「C」ollection(コレクション)System(システム)。高速料金の支払いをノンストップでできるシステムのことです。
8月より沖縄県限定でETCの取り付けを後押しするキャンペーンが実施されています。こちらのグラフをご覧ください。ゲートを通過するだけで支払いを済ませられるETCは2001年に全国の高速に登場しました。導入から22年目を迎えたことし、2023年3月時点で沖縄道のETC利用率は67.3%と全国より約25ポイントあまり低く、普及が進まない現状があります。
8月に始まった県内限定キャンペーンですが、期間中に新しくETCを取り付けると様々な特典があるそうです。このキャンペーンが普及の起爆剤になるでしょうか。
一日の平均利用台数が9万台ともいわれる沖縄自動車道には、那覇から名護まで57kmの間に12のインターチェンジがあり、そのすべてにETCレーンがついています。
こちらは平日夕方6時の西原料金所。スムーズに車が通り抜けるETCレーンの横に、長い車列ができた一般レーンが見えます。
沖縄では、料金所近くの「ランプ」と呼ばれるエリアにおける接触や追突といった事故が2019年に49件起きていて、全国平均の3倍にのぼります。さらに、料金の支払いを待つ渋滞は年間140回ほど発生しており、特に、金曜日の午後5時ごろに起きやすいといいます。
ETCの利用率が上がれば、料金所の渋滞解消やランプ事故の減少につながると期待されており、ネクスコ西日本が1人でも多くの人に利用してもらえるようPRに力を入れています。
ネクスコ西日本料金・交通課尾賀裕毅課長「お客さまにETCの割引でお得に高速道路をご利用いただけ、渋滞緩和や、環境負荷の軽減など、ETCの利用が増えることで多くのメリットが生じると考えています」
ネクスコ西日本では、ETCの設置費用を最大1万円助成するキャンペーンを実施して、利用率向上の起爆剤にしたい考えです。
助成があるとどれだけ割安なのか、実際にカー用品店で相場を調べてみました。
オートバックス事業部・仲宗根拓人さん「前年の同じ月、8月を比べると前年度比177%の売り上げ。去年と比べると女性のお客様が増えている」
ETCが使えるようになるまでの平均的な費用は、車載器の本体価格と車に取り付ける取付工賃や、ETCで無線走行ができるようにするためのセットアップ費用が合わせて1万7000円ほど。そこにキャンペーンの助成費用をあてると…。
オートバックス事業部・仲宗根拓人さん「全て込みで約7000円になります」
全額を実費でまかなうより、6割ほど安く費用を抑えられる計算です。助成の対象は、新車は対象とならず、購入後4か月経過した車両で、新たにETCを設置する車両が対象となっており、期間は来年3月31日まで。
こちらの店舗では、車載器を購入するときに助成申込書を同時に記入することでキャンペーンの申し込みが完了となり、会計時には1万円を値引きした価格になります。
また、1万円助成と併せて特設サイトからアンケートに答えると高速道路利用料金に充当できるETCマイレージポイント5,000ポイントもプレゼントしているということです。
ネクスコ西日本料金・交通課尾賀裕毅課長「ETCでご走行いただくと、平日朝夕割引など対象の支払料金が最大半額となるようなお得な割引もあります。また、助成キャンペーンをお申込みいただくと設置費用の負担が大きく軽減されますので是非ご利用ください」
沖縄県内限定キャンペーンのほかにも、ETCを使用すると各種の割引で高速道路の利用料金が安くなります。沖縄自動車道では、2024年3月末まで沖縄自動車道特別割引により35.5パーセントの割引が行われていますが、この割引が2024年4月以降も継続となる場合には、ETC車だけに適用されるという事です。