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今を生きる私たちが沖縄の未来を見ていく「IMAGINEおきなわ」です。私も沼尻さんも沖縄で生活をしていますが「自分がどれだけ沖縄を知っているか」はかる機会ってなかなかないですよね。

自分に沖縄に関する知識がどれだけ備わっているか確かめる方法のひとつに「検定試験」があるんです。歴史・文化・地理など多方面から沖縄全般に関する問題が出題されるもので、書店でこうした過去問も販売されています。実は私も1級を持っています。

「地域の歴史や文化を知るきっかけに」と検定試験が教育現場で活用されています。

与勝高校 伊佐真淳先生「小中高と普段の生活の中でもいろいろ沖縄の歴史のこと見たり聞いたりしてきたはずなので、それをどの程度蓄えられているのか試したいと思う」

机に向かう高校生たちがにらめっこするのは琉球・沖縄に関する地域を問う検定試験です!悩みながらも手を止めることなく、問題を解き進めていきます。

与勝高校の受検した生徒「難しかった」

受検した生徒「自分が知っている問題が出てきたら「おっ」ってなる」「自分たちがもっと知って広めていけたらいいのかなと思う」

#IMAGINEおきなわ vol.47 知識試す「検定」歴史・文化を学ぶきっかけに

沖縄歴史教育研究会 高良由加利先生「自分たちの生まれ育った足元にこれだけの文化や豊かな歴史があるのだと気付くきっかけになるというのはとても大きなことだと思う」

検定試験の問題は、高校教師を中心とした「歴史教育研究会」が作っています。

「若い世代に地域を見つめ関心を高めてほしい」と高校生を対象に2005年度にスタートした「琉球・沖縄検定」だけでなく、現在は年齢を問わず受けられる「沖縄歴史検定」も行われています。

高校生用の検定試験を取りまとめるのも現役の先生です。

沖縄歴史教育研究会 高良由加利さん「基本的には身近なもので、でも『なんだっけ』と思うようなところを設問として作っている」

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高校生たちにとって「身近な問い」とはどんな問題なんでしょうか、例題を出してもらいました。

沖縄歴史教育研究会 高良由加利先生「スタジオの沼尻さん、それでは質問です。沖縄の県の花はなんでしょう?」

答えは「デイゴの花です!」「ちなみに種類はちょっと違いますが「デイゴの木」は鹿児島県の県木にも指定されています」

簡単な問いに思えますが…検定試験の定番問題のひとつで改めて聞かれると意外と困ってしまう学生も多いと話していました。その他にも、2010年甲子園で春夏連覇した高校を問う問題や、琉球の成人男性のマゲの名称を問うものなど、歴史・文化以外にも自然や地理、時事と!様々な角度から出題されます。

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沖縄歴史教育研究会 高良由加利先生「実際学校現場に降りて感じるのが、生徒たちが(沖縄について)あまり知らないというところ」「高校入試や大学入試、節目で受ける試験では琉球王国というかつて国があった歴史があるにもかかわらず、一地域の歴史ということで深く学んでこなかったことが大きいのではないかと思う」

5年に一度研究会が県内の高校生を対象に実施している琉球・沖縄歴史に関する高校生の知識・意識アンケート調査でも「沖縄の歴史や文化を学ぶことをどう思うか」という質問に対して回答者のおよそ8割が「とても重要・重要」と答えている一方、知識問題の正答率を見ると大きな変化はありません。

高校生たちに「地域について学びたい」という思いはあるものの、知識の定着には「つながっていない」と言えそうです。

生徒たちの「地域に対する興味・関心」を無駄にしないためにも検定問題や解答はホームページから無料で簡単にダウンロードして自由に活用できるようになっています。2022年度には、宜野座・首里・南風原高校などからあわせて143人から合格した報告がありました。

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沖縄歴史教育研究会 高良由加利さん「私たちがやっていることはささやかな小さな一歩かもしれないが、沖縄の歴史や文化に興味・関心を持ったり、沖縄が今現在抱えている現状に目を向けて少しでも解決に前進できるようなことを真剣に考えて取り組んでより良い未来を作ってくれるような高校生が出てくるきっかけになると良いと思う」

授業の中で検定試験を活用する学校がありました。うるま市の「与勝高校」です。

与勝高校 伊佐真淳先生「一番は受験した生徒自身がまだまだ知らないことがたくさんあるということに気づいてくれるのが大切だと思う」

教壇にて伊佐先生「これから琉球・沖縄の(歴史)検定を受けてもらいます」

受検するのは3年生・16人、問題は全部で50問、一問2点で80点以上で合格です。

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与勝高校 伊佐真淳先生「じゃあ止め、筆記用具を置いてください」

学生たちの表情はとても晴れやかとは言えませんが自己採点です。

受検した生徒「違う~あっそうなの?」

気になる結果は…

与勝高校 伊佐真淳先生「合格ラインは80点、見たところ80点、残念ながらいないようです」

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残念ながらクラスの最高得点は68点と合格点には誰も届きませんでした。しかし受検を通して生徒たちは「地域」を知ることを前向きに受け止めていました。

受検した生徒「分からないことの方が多いと実感したのでもっと自分なりに調べて勉強する機会があっても良いかなと思った」

受検した生徒「歴史的に見ても地政学的に見ても今の沖縄はすごく大事な状況というか場にあると思う、その島の中で生まれて生きてきた人間としてそういうところにしっかり目を向けて」「僕らみたいな若い世代でも知っていくことがすごく大事だと思う」

与勝高校 伊佐真淳先生「彼らが生まれて今までというのは短くて点しかないと思う点で考えるのではなくて線の上にいると、歴史がつないできた線の上で生きているのだと感じ取って」「しっかりとした意見や考えを持つためのヒントとして歴史を学んでほしいと思っている」「そして、主体的に社会の中で行動できる人間に育ってほしい」

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「島」を知ることは、「今」を生きる自分につながります。検定試験の「次の世代に未来を託す」役割はこれからも続きます。

受検年齢を問わない「一般試験」も毎年行われています。

高校生は合格/不合格のみですが、一般受検は点数に応じて級分けされます。(沖縄の歴史にちなんでいて面白い。)

★100点 王子級(1級)★90点台最高得点者 按司級(1級)★86点以上 親方級(1級)★70~84点 親雲上級(2級)★50~68点 里之子級(3級)(※王子級はこれまで出ていない)

検定試験開催は今週12月10日(土)@沖縄空手会館です。受検資格の制限はなし(受験料¥2,000)

募集は終わっていますが空きがあれば当日まで申し込みを受け付けているとのことです!

歴史・文化・地理を50問に分けて出題(説明10分・検定50分)詳しくは、沖縄歴史検定で検索してみてください。

2023年度 沖縄歴史検定(沖縄/千葉)同時開催決定のお知らせ