沖縄県中城村にある福祉の事業所が訪問看護の診療報酬を不正に受給し、就労継続支援の給付金を水増しして請求していたという2つの疑惑について釈明する会見を開き、「不正は一切していない」と説明しました。一方、元利用者だという人の話を聞くと会見の内容と大きく食い違っていました。
一般社団法人みらい・稲嶺積理事長「不正受給はありません」
障がいがある人の就労支援などを手がけている一般社団法人「みらい」のグループ企業の1つで訪問看護ステーション「キララ」では利用者の自宅などに行かないと認められない訪問看護を実際には事業所で実施していたにもかかわらず診療報酬を受け取っていたという疑惑がもたれています。
釈明会見を行った一般社団法人「みらい」の稲嶺積理事長は、「訪問看護を事業所で行うことについて関係機関に確認したが返答がなかった」としたうえで、40人ほどいる利用者のうち8人ほどが事業所で受けていることを認めました。
一般社団法人みらい・稲嶺積理事長「(訪問看護を)家でやりたくないとか、旦那さん、彼氏にDV受けるとか、でも訪問看護は受けたいと(要望された)ということで本人が希望する場所で、事業所とかでやっていた」
一方、過去にキララを利用していたという人は、事業所での看護を希望したことはなく事業所に来ることを求められたと話します。
元利用者という人「ある職員に訪問看護を受けてくれないかと言われた。これ誰が言ってたんですかと聞くと、理事長が言っていたと、(事業所で)訪問看護を受けるのが当たり前だよみたいな感じになっていました」
九州厚生局は日常の生活を過ごしいている家、いわゆる「居宅」以外で訪問看護を行うことは認められていないとしています。
また、就労支援事業所の「みらい」で利用者が受けていない就労支援を受けたように見せかけて給付金を水増しして請求していたとされる疑惑について、稲嶺理事長は「在宅ワークをさせていたので水増しにはあたらない」と不正を否定しました。
一般社団法人みらい・稲嶺積理事長「在宅ワークをわからない人がなんで(事業所に)来ていないのにお金をもらうか、という噂とか勘違いなんです、(不正は)ないです」
元利用者だという人は、在宅ワークなどを指示されたことはなく”働いていないのに工賃が支払われていた”と話します。
元利用者という人「体調不良で精神的に不安定になって1カ月行っていないときもあったんですけど、1万5000円丸々振り込まれていて、(ほかの利用者からも)出勤扱いになっていたよという声がたくさんあります」
事業所側と元利用者という男性…双方の主張は大きく食い違っていて、”弱者を食い物にした”とも言われかねない不正疑惑について事業所側には今後も丁寧な説明が求められそうです。