続いてはスポーツ、寺崎さんです。きょうは筋肉痛、という人も多いかもしれませんね。
きのう、沖縄冬の風物詩「NAHAマラソン」が行われ、およそ1万9000人が南部路を駆け抜けました。
今年は4年ぶりに通常開催となり沿道にも賑わいが戻ってきましたが、そんな応援を背に、仲間とともにゴールを目指したある女性を追いかけました。
37回目のNAHAマラソン。コロナ禍を経て、4年ぶりの通常開催となり、スタート前から高揚感に包まれていました。
阪神のユニホームの参加者「38年ぶりの日本一がありましたので、『アレ』にあやかって完走したいと思います」
手作りの大谷ユニホームの参加者「とにかく本物に近づけようと思って格安で仕上げました。(Q.帽子は…赤白帽ですか?)赤白帽です。100円で買いました。これしか売っていなかったので、探したんですけど」
今年も仮装を楽しむジョガーが多く見られた中で、こちらの女性2人はアニメ「ドクタースランプ」のアラレちゃんと「きいやま商店」がコンセプトです。
大会前日、事前受付を済ませ笑顔を見せていたのが大阪府出身の大坪優子さん。
大坪優子さん「アラレちゃんってものすごく足が速い。足の速さにあやかってアラレちゃんにしました」
沖縄に旅行に来た際に、いつも通っていた那覇市の居酒屋「小桜」の仲間に誘われ、2019年にNAHAマラソンに参加したのがきっかけで、今では1カ月に100kmを目標に走るほどマラソンが大好きです。
大坪優子さん「『楽しそうですね』と言ったときに『じゃあ走ってみれば』と言われたのがきっかけで」
走る喜びを知り、新たな趣味を見つけた大坪さん。しかし、おととし乳がんが見つかりました。
大坪優子さん「まさか自分がと衝撃的だった。死んだらどうしようとか」
病と戦うことになった大坪さん。その時に支えてくれたのは、SNSを通じて知り合った小林志保さん。当時はまだ実際に会ったことはありませんでしたが、左乳房全摘など2回の大きな手術を受けた大坪さんに、チャットや動画でメッセージを送り励まし続けました。
大坪優子さん「私が走れない時に彼女がNAHAマラソンでオンラインをやっていた。私が手術後で動けない時に彼女が走ってくれてすごく応援してくれた。絶対に戻って来ようと思って一生懸命頑張った」
そんな小林さんのエールを受けて、約1年10か月に及ぶ治療を終えた大坪さん。去年のNAHAマラソンでフルマラソンに復帰し、見事に完走。そして今回は、病気の時に支えてくれた小林さんと初めて一緒に、NAHAマラソンに挑戦します。
大坪優子さん「(一緒に走れて)うれしいです」
小林志保さん「すごい興奮しています」
軽快に南部路へ走り出した大坪さん。去年の完走タイムが4時間58分で、今回は初の4時間切り、通称「サブ4(フォー)」を狙います。
スタートから42分で、およそ7kmの真玉橋付近へ。「YMCA」が選手を勢いづけるエリアを通過し、順調な滑り出しを見せると、2時間3分で中間地点の平和祈念公園に。理想のペースで折り返しを迎えた、ように見えましたが。
大坪優子さん「きついし登りだったので暑いし、足は痛いですね。足の裏が」
時折日も差して気温も上がったことに加え、足の痛みが出始め、目標タイムからは少しずつ遅れ始めます。
一方、ちょうど同じ頃、小林さんの姿は17.3キロ地点の具志頭交差点にありました。
小林志保さん「今のところ良い感じできています。思い通りです。(Q.大坪さんはかなり前にいるみたいですね?)そうなんですよ。全然追いつけないですけど、きっとゴールで待っていてくれるので絶対完走します」
2人でのゴールを目指して、小林さんも走り続けます。
沼尻和樹アナウンサー「4年ぶりに通常開催となったNAHAマラソン、この沿道の大声援が戻ってきました」
コロナ禍も明けて、沿道での応援にも制限がなくなった今年のNAHAマラソン。大きな声援が響き渡ります。
沿道からの後押しを受けて、足の痛みを気にしていた大坪さんも懸命に走り続けていました。そんな大坪さんを34キロ地点で待っていたのは、居酒屋「小桜」が準備していた「流しそうめん」です。
メンバーたちの後押しを受け、大坪さんの走りにも元気が。
大坪優子さん「沿道の雰囲気とかやっぱり、小さい子からおじいちゃんおばあちゃんまですごい応援してくれるし、途切れなくずっといるので、こちらがすごく元気もらえます」
応援の力を噛みしめた大坪さん。ゴールは4時間24分。目標である4時間切りには届きませんでしたが、前回から30分以上タイムを伸ばしてのゴールとなりました。
大坪優子さん「楽しかったです。目標タイムには届かなかったけどすごく短く感じました」
あとは、小林さんがゴールするのを待つだけです。
今年のNAHAマラソンは気候にも恵まれ、完走率は72.54%と2014年以来の70%台に。続々と感動のゴールを迎える一方で、制限時間、6時間15分。無情にも最後の関門が閉ざされます。
果たして、小林さんは。大坪さんから遅れること約1時間20分!2人そろって完走を果たしました!
大坪優子さん「感動しました!」
3時間後。「NAHAマラソンお疲れ様でーす」2人は居酒屋「小桜」にいました!
小林志保さん「実は来年3月にまた名古屋で一緒に走るんですよ。それも楽しみで今シーズン楽しみ尽くしたいと思う」
大坪優子さん「今回4時間を切れなかったので、絶対次のNAHAマラソンで4時間を切りたいと思っていて、来年も練習を重ねて必ず4時間を切ります」
走る喜びをかみしめて、喜びを分かち合える幸せをかみしめて、大坪さんはすでに来年を向いています。