※ 著作権や肖像権などの都合により、全体または一部を配信できない場合があります。
国の文化審議会は、地域の歴史を伝える建造物として、沖縄最古のホテル「沖縄ホテル」の旅館棟や門など4つの建造物を国の登録有形文化財に登録するよう、文部科学大臣に答申しました。
沖縄ホテルは、1941年、那覇市波之上に沖縄唯一のホテルとして創業し、戦後、那覇市大道の現在の場所に移転し、沖縄観光の歴史を切り拓いてきたホテルです。
今回、登録されるのは、1961年に建てられた旅館棟や守礼門を模した朱色の大道門など含む4つの建造物で、いずれも、沖縄現代建築のパイオニアで花ブロックの考案者としても知られる建築家・仲座久雄さんが手がけたものです。
このうち旅館棟は、仲座の特徴とされる花ブロックが外壁に用いられているなど当時の建築技術が随所に見られ、数回にわたる改修を経ても、60年前とほぼ変わらぬ姿を残しています。
そして、構造の一部にレンガ造りが用いられている旧館は、県内唯一の存在であることなど、歴史の面影を残す4つの建造物は、沖縄建築のデザインを今に伝える貴重なものとして高く評価されました。
沖縄ホテル・宮里公宣代表取締役は「戦後物資が少ないときに建てられたレンガ造りの建物、そして復帰前にアメリカ住宅が流行っていた時のコの字型の建物、そして何よりも赤瓦に囲まれた沖縄らしい建物と門これは沖縄らしい、沖縄にとって必要な建物だと思っております。こういった沖縄の歴史を建物から紐づいて歴史を感じてほしいなと思います」と述べました。
認められれば、県内の登録有形文化財は、金武町にある當山紀念館に続き、87件目の登録となります。