2023年11月21日夜、北朝鮮が「人工衛星」と称する事実上の弾道ミサイルを通告期間より1時間早く発射しました。現時点で、県内の被害は確認されていませんが打ち上げ直後に一部の交通機関に影響が出ました。
防衛省などによりますと2023年11月21日午後10時43分ごろに北朝鮮が北西部の東倉里地区から「人工衛星ロケット」は発射、その12分後に沖縄本島と宮古島の間の上空を通過した後、日本の太平洋の排他的経済水域の外側に落下したと推定されています。Jアラートが「北朝鮮からミサイルが発射されたものとみられます。建物の中、または地下に避難してください」と呼びかけました。
北朝鮮による人工衛星の発射にともない県内全域にJアラートが発令され避難が呼びかけられましたが、およそ30分後に解除されました。
24時間態勢で対応を続けていた県は、一夜明けた2023年11月22日午前、危機管理対策本部会議を開いてJアラートで避難が呼びかけられたことにより那覇空港に到着した飛行機が30分ほど地上待機したほかゆいレールも一時全線で運行を見合わせるなどしました。
人や建物、船舶への被害は現時点で確認されていません。
玉城知事は「事前に発射期間を通告していたにもかかわらず、通告期間前に発射を強行し沖縄上空を通過するなど県民に大きな不安を与えたことは大変遺憾と言わざるを得ません」と述べました。2023年で3度目となる北朝鮮の衛星発射から一夜明け、県民からは様々な反応が聞かれました。
県民は「びっくりしました。テストかなと思いました。正直(予定より)早いなと思いました。台湾情勢もあることですし、いろいろとアジア情勢が予断を許さない状況だということでびっくりしています」と答えました。
いろいろ自分自身で対策をできることはしていこうかなと思っています」と答えました。県民は「サイレンとか鳴っていて怖かったなと思いました。落ちてくるんじゃないかという恐怖があります」と答えました。
県は、引き続き情報収集を行う方針です。
北朝鮮の「人工衛星」発射をめぐっては、防衛省は2023年4月から半年以上にわたって石垣島、宮古島、与那国島に自衛隊のPAC3部隊を配備するなどして警戒していますが、今回も破壊措置は実施されませんでした。
政府は、現在出されている破壊措置命令の継続について「情報を分析して適切に対応する」としています。