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楽園の海、案内は水中カメラマンの長田勇さんです、今回のテーマは「与那国島の海にサンゴ礁」です。

長田勇さん「今までにも何度か与那国島の海を取り上げて来ましたが、実は、与那国島のサンゴ礁を紹介した事は一度もなかったんですよ。」

断崖絶壁の島ですからサンゴ礁のイメージは少ないですね。ではVTRご覧ください。

長田勇さん「租納の港から「海航」に乗船して出港です普段は、久部良の港からポイントへ向かうのですが、今回は、サンゴ礁のポイントに近い港という事で、祖納から出港しました。私にとっては、ここの港から出るの、20年ぶりなんです。新鮮な気持ちで島の北東側を目指します。ボートを走らせること15分。ポイントに到着しました。ここは、ウブドゥマイ浜の沖になります。ガイドは、真謝正太朗さんです。」

よろしくお願いします。さっそくエントリーですね。

長田勇さん「水深20mに広がっている砂地が、とても綺麗なポイントです。与那国島に来るダイバーの多くは、大物狙いか海底遺跡に潜りたい方。ですので、サンゴ礁のポイントをリクエストする方は、ほぼ居ないんです。」

与那国島とサンゴ礁は想像しにくいですね。

長田勇さん「私も今まで、サンゴ礁のポイントが与那国にあるということを知らなかったんです。」

長田さんでさえも!なんですね。

楽園の海 与那国島のサンゴ礁

長田勇さん「はい、そうなんですよ。さて、見えてきたのはヨスジフエダイの群れです。水深は15m。今回ぜひとも見て欲しいのはサンゴですから、ヨスジフエダイを見ながらその後ろに群生している「サンゴ」に注目して頂けると幸いです。」

見えてきましたね。

長田勇さん「水深が深いと鮮やかに見えにくいのですが、このポイントには本当にたくさんのサンゴが生息しているんです。 ツツウミズタやコブハマサンゴなど、下の岩盤がほぼ見えなくなってしまうほど、様々なサンゴで覆われています。」

そうなんですね。

長田勇さん「岩と岩の間には、ハナヤサイサンゴの種類が多く見られました。少し移動したところ、こちらにはグルクンの仲間クマザサハナムロが群れていました。」

楽園の海 与那国島のサンゴ礁

長田勇さん「サンゴに注目していただきましょう!岩盤を覆い尽くすようにサンゴが密集しています。よく見ると、昔のサンゴの骨格が見えました死滅したサンゴの上に、新たなサンゴが着いたようです。」

跡地利用って感じですかね。

長田勇さん「ここには「ツツウミズタ」が多く見られますが、枝サンゴが群生している割合も増えて来ました。この黄色い部分、一瞬サンゴが死んでいるように見えたのですがよく見ると、生き生きとしたサンゴでした。枝状ミドリイシの仲間2種類が、場所の取り合いをしてたんです。」

そうなんですか!

長田勇さん「青っぽい色のウスエダミドリイシと黄色いアクロポーラヴェルウェイ。場所取り合戦、どちらが勝つのか? ちょっと興味ありますこちらにはそれほど大きくはないものの、真っ赤なイソバナもあります。」

美しい。

楽園の海 与那国島のサンゴ礁

長田勇さん「色鮮やかですよね。今回、私が一番びっくりしたのは、こちらです。ガイドの正太朗さんと比べても、かなり巨大だというのが分かりますよね。これ、れっきとしたサンゴの仲間で、名前は「アザミサンゴ」と言います。」

かなり大きいですよね。

長田勇さん「そうですね、幅5mくらいでしょうか。このサイズのアザミサンゴは、沖縄でもかなり貴重です。近づくと、丸いポリプがたくさん付いているので、サンゴだと判断出来るんですよ。

楽園の海 与那国島のサンゴ礁

なるほど!

長田勇さん「隣りの根に移動すると今まで見て来たサンゴに混ざって、形の良いテーブル状サンゴの割合が増えてきました。こちらは、クシハダミドリイシ。 水深は13mです。直径2mほどでしょうか。立派に成長しているサンゴです。産まれてから10年以上経っていそうです。」

そんなに経っているんですね。

長田勇さん「そうなんです。さてこちらは水深18mにあったテーブルサンゴです。名前はハナバチミドリイシ。」

楽園の海 与那国島のサンゴ礁

綺麗な丸い形なんですね?。

長田勇さん「本物のテーブルみたいですよね。こちらは同じくハナバチミドリイシで水深は16mです。正直、私は与那国島の海にテーブルサンゴは無いと思っていたんです。ですが、今回潜って沢山見ることが出来ました。普段この島で潜っている場所では、このようなサイズのテーブルサンゴを見た事がありませんでした。」

灯台下暗しってやつですね。

長田勇さん「まるで鹿の角のような形のサンゴもありましたよ。その名もヘラジカハナヤサイサンゴです。」

楽園の海 与那国島のサンゴ礁

ナイスなネーミングです。

長田勇さん「生き生きとした枝状のサンゴも見られます。トゲスギミドリイシの群生。こちらは随分と枝の伸びたサンゴ、コイボミドリイシ。両方ともに水深15mから18mのところに群生していました。」

与那国の海、栄養満点の海なのですね。

長田勇さん「2022年夏に起こった水温上昇の影響で、島の南側にあったサンゴは壊滅的な被害にあったようです。でも島の北側にあるサンゴは、ほぼ無傷でした。今回は水深12mから20mに生息しているサンゴを中心として撮影しています。水深の浅いサンゴが被害にあってしまった石垣島や西表島と比べて、与那国のサンゴは、水深の深い所に生息していたので、無事難を逃れたようですね。さらに、豊富な栄養分を含んだ黒潮の影響が幸いしたのか大きく育ったサンゴが、沢山生き残ってくれました。」

楽園の海 与那国島のサンゴ礁

長田勇さん「日本最西端のサンゴ礁を皆さんにお伝えできて、嬉しいです!」

ありがとうございました。以上楽園の海でした。