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幅広い世代が、手軽に使っているSMSのひとつ、通信アプリ「LINE」ある日、親しい知人から届いたメッセージがまさかの詐欺だった、そんなケースが後を絶ちません。今、ラインのアカウントが何者かに乗っ取られ、家族や友人などが詐欺の被害にあってしまったという事態が発生しています。

被害にあった男性「昼まで一緒にゴルフしてますからね、その日は」

本島中部に住む60代の男性。先月24日、LINEにあるメッセージが届きました。

「今忙しい?」「近くのコンビニでAppleカードを何枚か買ってきて欲しいんだけどいいな?」

メッセージの相手は、長い付き合いのある。友人。この日も一緒にゴルフに行き、6時間ほど前に別れたばかりでした。

「アップルカード」とは、正式にはAppleギフトカードと呼び、コンビニなどで購入することができる電子マネーです。

カードの裏に記載されているIDをネットで打ち込むとオンラインショッピングの支払いなど“お金”として利用できます。メッセージの相手は、このカードを購入し、16桁のIDコードを写真に撮って送るよう要求したのです。

「お金は明日あげるよ。10万円分を2枚買ってきてほしい」

「せかされたもんですから、ますます家でよからぬことがでているのかと思って。その心配ばかりしている、自分は。いろいろと、じゃあ、なんとかしてみますと返したんですよ」

男性は、カードの存在すらもちろん、使ったこともありませんでしたが困っている親友を助けたい一心で、最寄りのコンビニに駆け込みカードを購入。20万円と高額なためコンビニの店員から「大丈夫ですか?」と忠告を受けるも、男性の耳には入らず。指示された通り、16桁のコードをLINEで送ります。

そのLINEは“なりすまし”だった 電子マネーで20万円要求

友人に電話をしようと矢先に届いたメッセージで、男性は、LINが“なりすまし”であることに気づきます。

「今度は口座教えてくれと、それに振込しますよと。代金を。それでピンときたんですよ。あーやられたなと」「相手もどんどん進化していくし、はずかしいですよ。こればかりは。こに怒りをぶつけていいのか、わからないですね」

ここからは、警察担当の金城さんとお伝えします。

今回の件で、警察に対してどのくらい被害や相談が寄せられていますか?

県警のサイバー犯罪対策課によりますとVTRで紹介した男性が被害を申し出た先月26日と翌27日の2日間でLINEの乗っ取りに関する相談が10件以上寄せられていて、被害総額は数十万円にのぼるとみられています。

“なりすまし”のアカウントから送られたメッセージは何パターンかあるようですね。

今回の男性のように近くのコンビニで電子カードの購入を求める「金銭要求のパターン」、そして、「LINEのデータ消失した。解除に協力してほしい」とアカウントに入るために必要な電話番号やパスワードを入力させる「アカウント乗っ取りパターン」の2つが確認されています。

いずれのパターンにも共通しているのは、乗っ取ったラインを使って「知人を装い」メッセージを送っている点です。ラインは、知り合いというのが前提にあるため、受け取った側は、メッセージの送り主が全く別人によるものとは思わず、本人だと信じてしまうかたちになっています。

多くの方が日常的に利用する「LINE」で起きたことも怖いことですね。そうですね。

県警では、ユーザーが多く幅広い年齢層が利用するSNSで発生したことから今後も連鎖的な被害が拡大する可能性があると警鐘を鳴らしています。対策として怪しいと感じたら安易に個人情報を入力せずお金を振り込むよう依頼があっても、相手に再度確認を取るなど不用意に応じないことなどを県警は注意を呼びかけています。

そのLINEは“なりすまし”だった 電子マネーで20万円要求

ここまで、金城記者でした。