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戦争の記憶を後世に引き継ごうと戦争を描いたラジオドラマに歌やダンス自分たちの表現を取り入れ、あらたな舞台を作り上げようとしている若者たちを取材しました。

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65年前の沖縄戦で学徒隊として動員された鉄血勤皇隊や看護隊を描いたラジオドラマ「ニイナとオジィの戦世(いくさゆ)」。県出身の池田卓、高良結香やパーソナリティのやまだひさしといった方たちが声の出演。

沖縄戦では14歳から19歳の学生が鉄血勤皇隊、通信隊、看護隊として駆り出され、若い命が戦場に散っていきました。

そのラジオドラマに音楽やダンス、自分たちの表現を取り入れ、新たな舞台として作りあげようとしている若者たちがいます。高校生を中心とした10代の若者たち、年は学徒隊の子らと同じ年です。

脚本家・鍵山さん「もう一度、命の大切さとおじいちゃんおばあちゃんが生き抜いた事を思い返すことで生きる力をもらって、がんばって輝いてもらえたら」

舞台練習が始まる前、出演者は首里の一中学徒隊資料展示室を訪ねます。

宮平さん「自分自身が生きるために必死で、家族のことは一度も考えたことがなかった。僕たちは被害者でもあるが加害者でもある。いちばんみじめな体験をしたのは住民ですよ」

戦争のことは知っていたが元学徒の話に演じることの難しさを感じます。

「自分たちが体験しているわけではないので、皆さまの気持ちを全部伝えられるか、それは難しい。少しでもたくさんの人に事実が広まるような形で演じ切りたい」

舞台は音声だけの物語で進行していきます。主人公の少女は65年前、必死に戦うオジィに出会い、命の大切さを知ります。

金城くん「セリフがないので演技の発散源がない。それをどううまく自分のジェスチャーや表現でうまく発散できるか」

鉄血勤皇隊の学徒を演じる金城秀平さん、現在大学2年生。高校時代に演じた平和舞台、その時に思った平和ってなんだろうという疑問が今でも消えず、少しでも平和に対する理解が深まるようにと平和ガイドなどの活動しています。

『みんな考えてほしいのは師範健児の塔に祭られてる子どもたちはみんなと同じ年。みんながほんとうの殺しあいに参加すると考えたらどうですか』

金城くん「その場所に生きた人を描いているので難しいですけど、さっき行った健児の塔でも、鉄血勤皇隊の立場になって考えてみようと努力するんですけど、それも難しい。それでも考えることで少しでも近づけるように努力したい」

65年前、戦争で命を奪われた若者たち。青春を奪われた悲しみ、生きていたかった悲しみに思いをはせ、その思いを全員で表現します。