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50年、100年先の沖縄の未来を見つめる「イマジンおきなわ」です。犬や猫といった動物の幸せな未来を実現するために私たちにできることは何かを考え適正な飼育などについて関心と理解を深める「動物愛護週間」がきのうから始まりました。

不幸な動物をなくそうと保護活動に尽力する人がいる一方で、虐待といった心ない事件も起きています。人と動物が共生する社会に向けて命とどう向き合うべきなのか考えたいと思います。

猫の保護に取り組む小林恵美さん「みんなで、沖縄県民のみんなで動物を大切にするという意識を持っていけたら絶対変わっていくと思っています」

立ち上がる焼香の煙…そのそばには、ペットフードが供えられています。県動物愛護センターでは、殺処分など望まぬ最期を迎えて死んでいった犬や猫の冥福を祈る慰霊祭を毎年、動物愛護週間にあわせて実施しています。センターの関係者などが参列して手を合わせていました。

#IMAGINEおきなわ vol.36 動物愛護週間

県内で去年4月からことし3月までに殺処分された犬は22匹、猫は203匹にのぼっています。33年前に統計を取り始めて以来、県内では殺処分が最も多かった1996年度の2万4257匹を境に減少傾向にあります。しかし、いまだに殺処分を「ゼロ」にできていません。

人と動物が共に生きる社会を目指すべき時に耳を疑うような事件が起きています。本島中部の公立高校では、屋外にあるトイレの入口近くに胴体から切断された猫の頭などが捨てられていました。警察は何者かが猫を殺傷したとみて捜査を進めています。

豊見城市ではおどろおどろしい青い色をした「ウインナー」のようなものが見つかりました。なかには、農薬や殺虫剤の成分が含まれていたのです。8歳のミニチュアダックスフンドが道端に落ちていた「青いウインナー」を食べた直後に泡を吹いて倒れ、2時間後に死にました。飼い主の女性が散歩していたルートを調べたところ10個ほど見つかったということです。

#IMAGINEおきなわ vol.36 動物愛護週間

うるま市では譲渡前のお試し期間として預かった子猫を虐待する事件がありました。ホテル従業員の20代の男が複数の子猫を殴るなどして死なせたり、内臓損傷や骨折などけがをさせたりしたとして動物愛護法違反と器物損壊の疑いで書類送検されています。

小林恵美さん「川で小さな、まだ1キロもない子猫がロープで首をまかれて重石をつけて沈められていたりとか」「ぶつけようのない怒りがこみ上げますよね」

#IMAGINEおきなわ vol.36 動物愛護週間

宜野湾市に住む小林恵美(こばやし・えみ)さんは、市内の公園とその周辺で野良猫を捕まえて去勢や避妊の手術を施して不幸な繁殖を防ぐTNR活動を10年近く続けています。手術をした猫の糞や尿の片付けなどをするため仕事の合間を縫ってほとんど毎日公園に通っています。

小林恵美さん「(犬も猫も)ご飯を食べないとやっぱり死んでしまうじゃないですか、病気にもなるじゃないですか、なので、ちゃんとご飯を与えながらみんなで見守る」

関東から移住してきた時に飼い主に捨てられた猫が飢えや交通事故などで命を落としていく悲惨な状況を目の当たりにしたことが活動のきっかけでした。動物を傷つけたり、捨てたりするような人間の身勝手な行動で命をぞんざいに扱ってはいけないと小林さんは話します。

小林恵美さん「(猫が)病気を抱えて手に負えなくなったからという感じで遺棄をする人ってすごいたくさんいるので、そういういうことをふまえて動物を飼うっていうことがどういうことか、飼ったらきちんと医療にもかけて…」「家族として見てもらえたら現状はもっと変わるんじゃないかと思っています」

#IMAGINEおきなわ vol.36 動物愛護週間

動物と人間が一緒に幸せな暮らしをしていける社会にしていくためにも飼い主だけでなく小さな命と関わるすべての人が虐待や殺処分などの現状について目を向けることが大切です。命を粗末に扱わないことはもちろん、家族として迎え入れた命の面倒を最期までみる「当たり前」が求められています。

#IMAGINEおきなわ vol.36 動物愛護週間