アメリカ軍のパラシュート生地を使ってスカーフを作るワークショップが那覇市で行われました。
親子らがスカーフづくりを通して、先人たちの思いに触れました。
志喜屋徹さんが作品説明「パラシュートって物自体落下するもの、落ちていくものだけれど、それを使いながら、刺繍している女性たちは心が舞い上がっているんじゃないかなっていう表現がこの作品なんですよ」
先日、那覇市で開かれたワークショップ。戦後、アメリカ軍の放出品などを暮らしに取り入れて生き抜いてきた沖縄の人たちのたくましさを感じてもらいたいと企画されたもので、およそ15人の親子が参加しました。
講師を務めたのは、県出身の現代美術アーティスト・志喜屋徹さんと沖縄市に住む和宇慶ミツ子さん。戦後、物資も乏しいなか若い女性たちがパラシュート生地を使って仕立てたパラシュートスカーフについて語りました。
和宇慶ミツ子さん「私はまだあの時幼稚園生でしたけれど、姉たちがね、このパラシュートの生地で刺繍をして。それを外人さんに売りに行っていて生活の足しにしていたことを思いだしたんですよ」
このあと参加者は、当時の人たちが生活のためにやっていたという刺繍を追体験。こどもたちは、慣れない作業に苦労しながらも、2時間近くかけてオリジナルスカーフを完成させました。
参加者「風船をデザインしている途中です」Q風船はどんなイメージ?「やさしいイメージです」
親子連れ 児童「発想がすごい。」母親「こんなものでそうやって使わないといけないくらいなかったのかなって気がしますね。今だったら、もっと安い布いっぱいあるし、やりたいことできるはずだけど」
参加女性「この一針一針集中しているときだけ、ちょっとリラックスというか息抜きになってたのかなと思いました」
現代美術アーティスト・志喜屋徹さん「まわりのことを忘れて、不幸な状況を忘れて今に集中して、一針一針思いをこめてやる」「個人個人がまずは、自分が平和でいられる、安らぎを持てる状態に心がなっている、そういったことを実感できるようになればうれしいなと思います」
一針一針、刺繍を施すことで参加した人たちが感じた先人たちの思い。生きるための希望を見いだしながら生き抜いてきたあの日の記憶をパラシュートスカーフがつなごうとしています。
戦後、沖縄の女性たちが作ったパラシュートスカーフについての証言は少しずつ出始めています。ただ、情報が少なく志喜屋さんらは情報を求めていますので、こちらまで、お寄せください。