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6月に入り、南部は軍と住民が入り乱れて混乱する中、アメリカ軍は繰り返し「命を助けるビラ」をまいていました。

島袋文子さん「アメリカの飛行機からビラが落ちてくるわけ。日本は負けました、戦争は終わりました。出てきてください」

一,このビラに書いてある通りにする人はアメリカ軍が必ず助けます。
二,そして国際法によって、食べ物,着物、たばこなどを与えます。

ビラには、捕虜になる方法が具体的に書かれています。

一,両手を上に高く上げて、このビラのほかは何も持たないでアメリカ軍のほうへゆっくりと進んできなさい。
四,夜間は絶対にアメリカ軍のところへ来てはいけません。

しかし、6月に入っても住民はまだ日本軍が優勢と信じ、ビラを嘘だと思っていました

島袋さん「本当にそれまで、糸満までアメリカ兵は来ているけど、勝っていると思っていた。近くで機関銃の音がしても、軍の情報が日本は勝っているとしかいわないからさ。日本が勝ったよ、と云って合図していると思っているわけ」

ビラの中には、沖縄の人々を心理的に揺さぶる内容もありました。

五,皆さんはこの戦争で何か得することはありますか?
六,日本の軍部は島の安全を守ってくれますか?
七,この戦争は、皆さん方の戦争ですか?それとも皆さん方を何十年も治めてきた内地人の戦争と思いますか?

島袋さん「ビラが落ちてきてビラ探ししたら、スパイと言って捕まえられるんだからね。これを拾って読んだら、どこかで日本兵が見ているわけ。そしてスパイといってから殺される」