沖縄水産高校の生徒たちが実家を離れ、学校生活とも違う普段の日常とはガラッと異なる環境の中に身を置いた「船乗り」を目指す40日間にも及ぶ実習の成果を披露しました。最後の総まとめは迫力あるパフォーマンスで会場を沸かせた「マグロの解体ショー」でした!
仲田くん実況の一コマ「マグロの頭切り落とすことができましたでしょうか…そろそろ切り落とすことができます!さあどうでしょう…おっ!!切り落とすことができました、みなさん拍手お願いします…!!」
気合の入った声とともに、力強く入っていく包丁。あぶらののったブロックが次々と切り出されていきます。
ショーを見た女の子「かっこよかった。切るところ」
ショーを見た男性「なかなか上手いさばきでした」
3日前、名護市のディスカウントストアで「マグロの解体ショー」が開かれ、青のハッピに身を包んだ沖縄水産高校の生徒たちが実演しました。ショーに使われた重さおよそ22キロにのぼるキハダマグロ実は…遠洋航海実習で釣り上げたものだったんです!
海洋技術科3年 仲田旭さん「陸上とは違った経験を通して、ひとまわりもふたまわりも成長していきたいと思っています」
沖縄水産高校では、先月9日から今月18日まで3年生と専攻科の生徒およそ60人が実習船・海邦丸に乗って、航海士や機関士の資格取得に向けて経験を積みました。
沖縄水産高等学校 仲田旭くん「(マグロを釣り上げた時は)もうビリビリビりってすごかったです。巻き上げるときもとても大きくて、やはりこれも初めての経験なのでとても楽しかったです。」
40日間に及ぶ航海では、これまでの日常と180度違う生活を送ることになります。フィリピン沖で行われたマグロのはえ縄漁では船にWi-Fiはなく、スマホを自由に使うことは出来ません。
早朝5時半に集まり、仕掛けにエサを付けて投げた後午後に引き揚げる作業を行っていました。メバチマグロやキハダマグロ、他にも深海魚など様々な魚を水揚げしました。
沖縄水産高等学校 新垣伶くん「船の上だと思い切り走ったりできなかったので、ちょっと船降りて走ったとき楽しかったです」
実習を終えて、海から上がれば休み…というわけではありません。2日後に迫った「マグロの解体ショー」に向け、さばき方を地元の漁業関係者から学びました。これまでも魚をさばいたことがある生徒でしたが…
マグロに刃を入れながら…新垣くん「包丁越しに感じるなか骨」関屋さん「あ、ちょっとずれたね」
刃をまっすぐ入れるのにも一苦労。
仲田くん「当日俺がどうやって尺稼ぐか心配なってくる」新垣くん「命がけで尺稼いで」
一筋縄ではいかない解体。プロの力も借りながら、1時間ほどかかりました。
沖縄水産高等学校 竹中彬人くん「意外にさばくのに筋肉使いまして、筋肉痛になりそうになった」「本番の前にもう1回練習したい気分です」
沖縄水産高等学校 仲田旭くん「自分たちが捕ってきたマグロを一番おいしく食べてもらえることを願っています」
期待と不安を抱えながら迎えた本番。
会場アナウンス「12時よりマグロの解体ショーをお送りいたします。どうぞ皆さまもう間もなくです。鮮魚コーナーへとお集まりください」
緊張する3人をよそにぞくぞくと買い物客が押し寄せました。
仲田くん実況の一コマ「切りやすくするためにマグロの背中部分、背びれの部分を取っていきます」
生徒たちの丁寧な包丁さばきが立ち止まる買い物客や目を丸くして見つめる子どもたちなどたくさんの人をくぎ付けにしました。
マグロを購入した男性「(解体ショー)良かったですよ、若い人の一生懸命やってる姿見入っちゃいましたね」
解体したマグロを刺身や丼ぶりなどにして商品として加工したりするまで、実況しながら客を呼び込むなど 自分たちで手に入れたマグロが「消費者」に届くまでの流れを身をもって学んでいました。
店舗の周年祭として企画された「解体ショー」ではさばきたての脂ののったマグロが特別価格で販売され、訪れた客を大いに盛り上げていました。
Q.何を買いました?マグロを購入した女性「刺身と頭(を買った)」「自分の孫のようでかわいい。おいしく食べられます」
大海原での航海ともに人々の生活を支える役割の重要性を学んだ生徒たちは「船乗り」という 大きな夢にまた一歩近づいているようでした。
沖縄水産高等学校 竹中彬人さん「自分たちで撮ってきた魚を売るって機会はなかなかないのでとてもいい経験になりました」
沖縄水産高等学校 仲田旭さん「緊張しましたが、みなさん楽しんでいたので、とてもやりがいがあって良かったです。」
沖縄水産高等学校 新垣伶くん「子どもたちがとても目を輝かせながら解体ショーを見たり、商品を持ってきたら興味津々に見ていたのでうれしい、とにかくうれしいです」「その経験を仕事につなげられればいいなと思っています」