※ 著作権や肖像権などの都合により、全体または一部を配信できない場合があります。

沖縄の貴重な動植物を紹介する「リュウキュウの自然」のコーナーです。案内は動物写真家の湊和雄さんです、宜しくお願いします。

湊和雄さん「宜しくお願いします。」

今回のテーマは「ホントウアカヒゲ」です。あまり馴染みがないんですが?

湊和雄さん「恐らく、単独で紹介するのは初めての野鳥ホントウアカヒゲ。奄美諸島にはナミアカヒゲという別亜種が生息しますがホントウアカヒゲは、やんばる固有種です。どんな映像なんでしょうか、さっそくVTRご覧ください。」

リュウキュウの自然 ホントウアカヒゲ

湊和雄さん「ホントウアカヒゲの雄成鳥です。額から胸に掛けて黒いのは雄だけの特徴で、これを髭に例えた和名で赤い髭ではありません。また、美声の持ち主としても知られています。」「餌はミミズや昆虫など、ほぼ肉食性。ここの水辺はお気に入りの餌場で頻繁に訪れ、捕らえた獲物はその場で呑み込みます。」

木に何度か打ちつけて?あ、飲み込みましたね!

湊和雄さん「ところがある日から、捕らえた餌を食べずに何処かへ持って帰るようになりました。このときは小さなミミズを1匹咥えていました。」「こちらは黒髭のない雌親鳥。やはり捕らえた餌を食べずに咥えたまま移動しました。」「餌を持って行った先は、ここ。巣のようです。まだ幼い雛に与えています。6月末のことでした。」

ヒナ一瞬見えましたね。

湊和雄さん「雄親鳥もやって来ました。雛はまだ小さくてよく見えませんが、嘴の数から3羽いるようです。」

あっいますね!小さい!

リュウキュウの自然 ホントウアカヒゲ

湊和雄さん「また雌親鳥がやって来ました。雌雄交互に頻繁に餌運びをします。」

夫婦で力を合せて子育てしてるんですね!一生懸命がんばってますね(など)

湊和雄さん「最初の映像から4日後。雛は少し成長して、顔を見せるようになりました。まだ羽毛もまばらで、地肌が目立つ状態です。」

親鳥のオレンジ色の体色とは、まだかけ離れていますね。羽毛もポワポワでかわいいような、頼りないような。

湊和雄さん「3羽の雛の成長度合いにはバラツキがありますが、一番成長の早い雛は立ち上がると、翼や胴体の一部にオレンジ色の羽毛が見えるようになりました。」「雛が成長すると、餌も多くなります。このとき、雄親鳥は大きなミミズを同時に3匹も咥えて運んで来ました。」「雛の頭部にもオレンジ色の羽毛が見えるようになってきました。最初の映像からちょうど1週間後のことです。」

わ~はじめに比べたら随分しっかりして鳥らしくなってきましたね、あ、手前の子があくびしましたカワイイ!

湊和雄さん「雛を育てる過程で、親鳥の役割は餌を与えることが最も重要なのは間違いありません。しかし、同時に巣内の衛生を保つことも重要です。このとき雌親鳥は、目の前で逆立ちし出した雛の糞を咥えて飛び去りました。」

リュウキュウの自然 ホントウアカヒゲ

「こちらは雄親。雛の糞をその場で呑み込んでいます。さらに巣の周りを歩くアリを食べています。子育ての期間は、雛に餌を与えるのが最優先なのでしょう、親鳥の栄養状態は悪く、毛並みもボサボサに見えます。」

それを補う行動なのでしょうか?

湊和雄さん「この撮影から36時間ほどして雛は巣立ったようです。それも早朝に。その瞬間は見られませんでした。最初の映像から9日後の午前中、巣は空っぽになっていました。数時間で造ると言われるアカヒゲの巣にこのとき初めて近づいて撮影しましたが、実に簡単でした。」

「雛たちは無事巣立ったのかが気になりましたが、どうやら無事のようでした。ヘビに食べられてしまうことも少なくありません。巣からは離れましたが、近くの茂みに隠れているようです。まだ雌雄の親鳥が、餌採りをしては茂みの奥に運んでいました。しかし、かなりの茂みで近づくことは出来ず、巣立った雛の姿は確認できませんでした。」

さて湊さんの写真展と講演会が開催されます。国頭村の環境省の施設「ウフギー館」で8月の1カ月間、やんばるの生き物たちの写真展を開催します。最新作も動画も公開します。8月19日(土)夕方には講演会もあります。こちらは25名限定で事前申し込み制となっています。これは楽しそうですね!湊さん今回も貴重な映像有難うございました、以上リュウキュウの自然でした。

リュウキュウの自然 ホントウアカヒゲ

やんばる野生生物保護センター ウフギー自然館 夏休み特別企画!「湊 和雄 やんばる写真展」を開催します!!