沖縄県内最大級の繁華街が騒然としました。7月5日夜に那覇市松山にある飲食店など十数店舗で警察による一斉捜索が行われました。
暗い夜にネオンが煌々と光る那覇の歓楽街・松山にあらわれた警察車両、飲食店のまわりを取り囲む盾を持った機動隊員、現場は物々しい雰囲気に包まれました。
濱元晋一郎記者「今、続々と捜査員が松山のビルの中に入っていきます」
捜査関係者などによりますと暴力団にみかじめ料を払って利益を供与した疑いがあるとして7月5日午後9時ごろ警察が那覇市松山にあるスナックやガールズバーといった飲食店18店舗を一斉に家宅捜索しました。
機動隊など約150人の捜査員がつぎ込まれた大規模な捜索に県内最大級の繁華街が一時騒然としました。7月4日に4人の暴力団構成員を調べたところみかじめ料とみられる数百万円にのぼる現金を所持していたこともわかっていて警察では飲食店との関係性を調べることにしています。
沖縄県暴力団排除条例では那覇市松山と沖縄市上地で風営法の許可を得て営業する飲食店にみかじめ料の支払いを禁止していて1年以下の懲役、または50万円以下の罰金が課せられます。
金城有芽乃記者「午後11時18分です。押収物を手に捜査員らが続々と店から出てきます」
今回の捜索で、飲食店の帳簿や利用者の名簿を押収した警察では暴力団の資金源となっているみかじめ料の出どころなど実態解明を進める方針です。
記者解説 那覇市松山大規模一斉捜索
ここからは捜索の現場を取材した金城記者に加わってもらいます。沖縄を代表する繁華街が異様な雰囲気に包まれたんじゃないでしょうか?
金城記者「はい。当初は午後8時ごろという情報がありましたが、事態が動いたのは予定より1時間遅く午後9時ごろでした。列になって捜査員たちが出てきたことでこれからさらに、にぎやかとなるはずの繁華街の空気が突如一変しました。街の声を聞くと「松山でここまで大規模な捜索は初めてではないか」「これほどの警察の量は見たことがない」と驚いていました。」
捜索のきっかけとなった「県暴力団排除条例」ですが、そもそもどういった目的で定められた条例なのでしょうか?
金城記者「はい。そもそもこの「県暴力団排除条例」は県民の安全かつ平穏な生活の守るため、沖縄から暴力団員を根絶しようと定められたものです。暴力団員の活動に対する規制だけでなく、街をつくる県民に対しても「暴力団とつながらない責任」を求めてます。実は、4年前に条例の一部が改正されました。いくつか変わった点がありますが、今回、最も大切なのは「那覇市松山」と「沖縄市上地」の繁華街を「暴力団排除特別強化地域」に指定したことです。」
指定されるとどうなりますか?
金城記者「指定された地域で営業する飲食店などに対して「暴力団の力を使って店を守ってもらうような用心棒の役割をさせないこと」や「暴力団に営業を認めてもらう代わりにみかじめ料といった対価を支払うこと」などを禁止しているんです。」
「暴力団とつながらない責任」をより強く求めているということですね。
金城記者「罰則も設けられていて飲食店側にも「1年以下の懲役、または、50万円以下の罰金」が科せられます。今回の大規模な捜索はこの条例が改正されて初めてのことで、暴力団が飲食店とつながって資金を得るといった流れを断ち切ることが目的です。飲食店側が暴力団員に脅されてみかじめ料を求められても安易に支払わず警察などに相談するよう呼びかけています。」
ここまで金城記者とお伝えしました。