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続いて、服の話題です。古くから八重山の人々の毎日の生活で親しまれ、より実用的な生地として愛用されていた「八重山交布(ぐんぼう)」。

この生地にまつわる人々の様子や、その地域の「もののまわり」を集め写真や映像などで作品を紹介する展示会が沖縄市で開催されています。

島の植物からひとつひとつ糸を紡ぎ、布を織り、染める。循環する暮らしのなかで、ゆるやかに織(おり)や染物を生み出し続ける暮らし。その営みを見つめ、体験し、記録する目線。

八重山交布と「もののまわり」循環するくらし 持続可能なモノづくり

沖縄市のプラザハウスで開催されているのは、八重山諸島で庶民の普段使いの衣として使われてきた「八重山交布(ぐんぼう)」(の作品)の展示会です。

D&DEPARTMENT 島袋 みのりさん「『ものにはまわりがある』という考え方で、その『もの』には文化があったり産業・地域・暮らし・仲間・環境とかがあるので、その『まわり』を知ったうえで、そのものを知って欲しいというところ」

琉球王国時代、王府への献上品としてつくられていた「八重山上布(じょうふ)」が芭蕉など、ひとつの材料を用いられたのに対して、その余り糸に苧麻(ちょま)や木綿などを混ぜて作られた布のことを交布(ぐんぼう)と言います。

染色家の石垣昭子(いしがき・あきこ)さんは1980年代から西表島で、植物を育てるところから交布づくりに取り組んでいます。

島袋さん「西表島の循環する暮らしであったり持続可能なものづくりがあるので、そういったところをこちらではご紹介しています」

八重山交布と「もののまわり」循環するくらし 持続可能なモノづくり

今月3日にはファッションショーも開催されました。日常使いできる交布として「うちくい」が紹介されています。

島袋さん「つぎはぎになっているのもひとつの特徴で、これも『クーシャビラ』という西表の言葉があるんですけど、ひとつひとつを繋ぎ合わせて作る布のことですね」

風呂敷やスカーフとして、また腰に巻いたり自由に使えるということです。

島袋さん「ひとつひとつの糸を紡いでいる物語も含めて、大切に使い続けていただけたらなと思います」

八重山交布と「もののまわり」循環するくらし 持続可能なモノづくり

また、石垣昭子さんの活動を中心に西表島の文化や歴史、自然を長年にわたり撮影し続けている写真家で、県を代表するアーティストの仲程長治(なかほど・ちょうじ)さんによる作品も併せて展示されています。

仲程さん「島の自然とか、そこに敬意を払いながらやってる姿を見ると、素晴らしいですね。紅露工房の中で全部がまわっている、そこで取れる植物とか染色の材料というのも本当に半径100m以内にみんなある」

仲程さんが今回初めて取り組んだのも工房のまわりの材料、藍とヒルギを使って染めたTシャツです。

仲程さん「まず知りたい、経験しながら、僕でも伝えられたらいいのかな。島の財産を映像に残したり写真に残したり染めとかもね、伝えられたらいいのかなと。できたら皆さんも自然を敬うというか、そこを見ながら美しいものを切り取ったりいただいたりして欲しいですね」

八重山の昔ながらの自然や暮らしを感じられる作品展は、来月3日まで沖縄市のプラザハウスで開催されています。

八重山交布と「もののまわり」循環するくらし 持続可能なモノづくり