あす開幕する夏の高校野球沖縄大会。強豪校・話題校を紹介してきたこのコーナーもきょうが最終回です。
最後を飾るのは、秋の九州大会で頂点に立ち今年の春のセンバツに出場した沖縄尚学です。「沖縄尚学」というチームに強い憧れを抱いてきたキャプテンのもともう一度、甲子園を目指しています。
秋の九州王者として9年ぶりに挑んだ今年の春のセンバツでベスト16入りした沖縄尚学。
比嘉公也監督ノック「おーい、頑張れおら~」「足でいけよ~」
この夏の沖縄大会も優勝候補の筆頭であることは間違いありませんが、それでもチームに油断はありません。
仲田侑仁選手「やっぱり自分たちは沖縄県内では追われる立場だと思っているので、一戦一戦接戦もあると思うんですけど、そこをものにして優勝したいと思います」
春に続き、もう一度甲子園を目指す沖尚ナインの戦力分析。比嘉公也監督は投手と打撃に4点をつけました。
比嘉公也監督「投打の柱というのは確立ができているので、そういった点ではすべての項目よりは少し上なのかなと思います」
投手陣の柱となるのは、もちろんこの投手!絶対的エースとしてマウンドに立ち続けてきた東恩納蒼。センバツでは全国の打者を相手に一冬かけてこだわってきたストレートを軸に勝負を挑み22回を投げ自責点はわずか2点。
そのストレートは5月に行われた招待試合で自己最速となる146キロを記録するなど、夏に向け迫力を増しています。
東恩納蒼選手「ストレートでも押していけますし、変化球でも空振りが取れているので自分としては理想とする形になってきたのかなと思います」
一方、打撃陣では去年の代から中核を担ってきた仲田侑仁(なかだ・ゆうと)センバツでは沖縄県勢で初となる満塁ホームランを放ち強烈なインパクトを残しました。
仲田侑仁選手「甲子園でホームランを打つことは自分の目標だったので目標達成できてうれしいですし、夏も絶対もう一回行くという気持ちを持っているので行ったらまたホームランを打てるように頑張りたいです」
その一方で、春は悔しさを味わったのがもう一人の攻撃の柱・チームのリードオフマンとなる知花慎之助。秋の公式戦で6割を超える打率を残しましたがセンバツではマークも厳しくなり3試合で2安打に終わりました。
知花慎之助選手「マークされている中でも打つのが一流の選手だと思うので、そのくらいマークされても打てるように春の甲子園では悔しい結果に終わって、甲子園に戻るという夢ができたので、そこに一歩近づけるようにまずは夏県大会で優勝できるように頑張りたいと思います」
そして、守備の要も雪辱を誓い夏を目指しています。キャッチャーの大城和平は秋の大会、攻守にわたり活躍し、センバツ出場に大きく貢献しました。しかし、甲子園へと出発する約1週間前。
大城和平選手「練習中に外野からの送球で手にボールが当たってけがしました」
センバツ直前で右手を骨折。甲子園のグラウンドでプレーすることは叶いませんでした。
大城和平選手「憧れていた場所なので出たいという気持ちはありました。甲子園に出られなかったという悔しい思いをしたので自分が活躍して甲子園にもう一回つれていけるように頑張りたいです」
手応えも悔しさも得たあの舞台へ、もう一度、そして今度こそと意気込む沖縄尚学。その中心でチームを引っ張り続けてきたのがキャプテンの佐野春斗です。
知花慎之助選手「あと佐野が引っ張ってくれたことでチームもついていけましたし最高な絶対的存在だと思います」
比嘉公也監督「このチームには(他に)いないタイプなので佐野のチームなのかなと思っています」
チームからの信頼も厚いキャプテンには「沖縄尚学」というチームへの強い憧れがありました。
佐野春斗主将「兄二人が沖尚で(野球を)やっていて小さい頃から応援に行って、ここで自分も甲子園を目指してやりたいという思いが小さい頃からあったので」
今から9年前の2014年の夏、沖縄大会決勝。春斗君の姿は沖尚の応援スタンドにありました。
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小さい頃から見てきた兄や沖尚ナインの姿は今も鮮明に覚えているといいます。
佐野春斗主将「憧れというか、かっこいいなと思っていましたし、一つひとつ勝つたびに、自分もうれしくて小さい頃ではあったんですけど兄が家できつそうな顔していたりだとか、厳しい練習というのは小さい時から聞いていたので、でもそこで自分も厳しい環境に身を置いて成長したいなというふうに思って入ってきたので」
覚悟を持って憧れの沖尚野球部の門を叩いた佐野は今や自分でも思ってもなかったというキャプテンに。
ミーティングでの佐野主将「全員が一つのプレーを見て何かものを言わないと、まとまりが出てこないから一人ひとりやるべきことを頭に入れて見て発言しているように声出していこう」
兄の代が果たした甲子園ベスト8という成績への意識はあるといいますが、それでもまずは目前に迫った沖縄大会。チームの揺らぐことのないキャプテンとしてこの沖縄尚学で、もう一度甲子園を目指します。
佐野春斗主将「やっぱりこのチームで勝ちたいって思いが一番強くて、最後の夏ということで打つこと・投げることという技術の高さも大事かもしれないですけど、3学年がまとまったチームが一番強いと思っているので3学年が束になって一つ一つ丁寧に戦っていきたいと思います」
苦しいことも、きついことも夢や憧れがあるからこそ、ここまで頑張ってこられた甲子園へのたった1枚の切符をかけた沖縄大会が、あす開幕します。
集合「優勝するぞ!」
いよいよあすから夏の沖縄大会が開幕します。QABでは毎週土曜日午後4時から速報めざせ甲子園を放送します。雨が心配ですが4年ぶりにすべての出場校が揃って行われる開会式の様子などもじっくりお伝えしたいと思っています。ぜひご覧ください!