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日米地位協定の前身の行政協定改定をめぐる日米交渉で、日本側が重要犯罪以外は第一次裁判権を放棄するという密約を交わしていたことを示す文書が見つかっていたことが分かりました。

文書は、1958年10月、当時の岸総理とマッカーサー駐日アメリカ大使らが交わした会談録です。マッカーサー大使が1953年10月に交わされた刑事裁判権に関する日米合意の議事録について触れ、「日本側が、ある場合、裁判権の行使を譲る趣旨が記録されている」と述べています。

その上で、アメリカ上院に対する年次報告書の作成や、フィリピンとの条約交渉を理由に「この議事録を公表できれば好都合だ」として、公表を望んでいます。これを受けて岸総理は「今コメントすることは差し控えたい」と答えています。

現在の日米地位協定では事件が公務外の場合、第一次裁判権は日本側にありますが、身柄が基地の中などアメリカ側にある場合、日本が起訴した後に身柄が移され、凶悪犯罪の場合には日本側の要求に応じて移されるとされていますが、その判断もアメリカ側にゆだねられ、不合理性が指摘されています。