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普天間基地の移設問題で揺れている現在の状況について、前の県政の政策のキーマン、比嘉良彦さんに聞きます。

98年、稲嶺県政が誕生した翌年に、比嘉さんは県政策参与に就任しました。そして、当時の稲嶺知事のブレーンとして、特に普天間基地の移設問題についてアドバイスし、政府との交渉にもあたりました。まず、いま、政府が有力視している勝連沖埋め立て案、そしてキャンプシュワブ陸上案について聞きました。

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比嘉良彦さん「あれもう実効性もないし、まさに論外」

勝連沖案についてこう断言する比嘉良彦さん。1998年、基地の県内移設を容認して誕生した稲嶺知事はその後、県政で1年かけて候補地の選定作業を行い、翌年の11月に辺野古沿岸域に決めました。

その選考過程ですぐに消えたのが与勝沖、勝連沖案です。

比嘉さん「一番は環境問題だったんじゃないかな、埋め立てという。あれだけやるとものすごい時間がかかる、費用も莫大になる。そのことはね、今も変わってないわけですよ。むしろ今のほうが環境問題に対しては、あの当時よりは(厳しい)」

そして、勝連沖案は時代遅れとも言い放ちます。

比嘉さん「21世紀の今日で、ああいう発想で代替施設を造ると。それも基地を恒久化して固定化していくと。あれは20世紀型の発想」

また、政府の中でもう1つ上がっているキャンプシュワブ陸上案も、当時の選考で消えました。

比嘉さん「あれだけ広大な山を削れば、大陸でもないわけだからさ、陸を削ればすぐに海がだめになる。地元の人が『身近なところでは困る、なるべく沖に出して』という話だった。政府からもアメリカからもあそこ(陸上案)はだめだと言われた」

辺野古沖案を容認していたのも比嘉さんの時代でしたよね。

謝花「当時の県政は『県内移設容認』を掲げて誕生したことから、そのときに浮上していた勝連沖、辺野古の沿岸や陸上など7つの案を調査した。その中でも全然だめな案だった」

そして今の仲井真知事の動きはどうなのか。

謝花「非公式と言っていいのか、大臣たちに会って、あったとか会わなかったとか、会ってもも具体的な案は出なかったとか。この時期、県民に不信感を抱かせるようなことはマイナスだと思う。比嘉さんもこう話していいます」

比嘉さん「非公式な話で、県民と、あるいは議会と知事が分断されて、知事は政府に絡めとられたような形。あとは既成事実みたいな形で、前から交渉していたと。日本政府との交渉はいつもそう」

そして、アメリカ軍再編で海兵隊のグアム移転が決まっている今、普天間基地の国外移設を言うべきだと話します。

比嘉さん「沖縄の海兵隊の半分はグアムに移るということを言っていて、日本が予算も出すということはもう既成事実になってる。そうならば、半分行くなら(沖縄の海兵隊)まるごと行けと。まるごと行かすための方法としてはどうするかといった話を、むしろ積極的に、沖縄県知事を先頭に、沖縄の中で固めて。財政で応分の負担をする以外にないわけだから、それはグアムへの移転に対して、国民のあれ(税金)で費用を上積みして」

さらに比嘉さんは、今月25日に開かれる県民大会について、こう提言します。

比嘉さん「仲井真さんが参加するかしないかみたいな話をするけど、私に言わせれば、むしろ仲井真さんが主催して。もっと言えば、県民大会を国民大会にするべき。みんな反対しているわけで。沖縄の負担軽減は賛成だけど、自分たちが受け取るのは困ると言って、どこも賛成しないわけです。そこの関係機関、議会と知事、首長たち、これ全部に招待状を出して、沖縄へ来てくれと。みんなで国外移転を言おうと」

国民大会賛成です。県知事大会もやればいい。

謝花「比嘉さんが言うように日本国内どこも受け入れるところはなく『国外』を求める環境が整っている。国民大会にして、国外を求め、政府だけでなくアメリカ側にも強いインパクトがある。アメリカ側は望まれないところにはいたくないという発言もありましたから、効果はあるのではないか」

でも知事は出ないかもしれませんが。

謝花「出席しないということにはならないと思う。各県の知事や市町村長、議員達と一緒に国外を求めて、そうすればそれを受けて鳩山総理が、以前から言っていた駐留なき安保に向かって進むということにもなるのでは。少なくとも海兵隊が沖縄に、あるいは日本に必要なのかという議論を深める絶好の機会だといえます」