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陸上自衛隊の師団長を含む10人を乗せたヘリコプターが4月6日に宮古島周辺で消息を絶ちました。事件発生から24時間を超えた今も依然として隊員10人の安否が分からない状態が続いています。

浜田靖一防衛大臣「事件発生当初から夜を徹して現場周辺の捜索を行っておりますが、機体に搭乗していた第8師団長坂本陸将他、9名について、現在も発見に至っておりません」

玉城知事「現在周辺海域で自衛隊や海上保安庁の懸命な捜索が行われているとのことであり、搭乗者の無事を祈っている次第です」

防衛省によりますと4月6日午後3時46分に空自の基地を離陸したヘリは宮古島周辺を1時間半ほど飛行して宮古島に戻ってくる予定でした。離陸から10分後の午後3時56分に池間島と伊良部島の間で機影がレーダーから消えたということです。

陸自ヘリ行方不明 レーダーロスト2分前には管制と交信も…

宮古島市の平良港には4月6日から捜索活動にあたっていた海上保安部の巡視船「のばる」が燃料補給のために一時入港しました。船の甲板には行方不明となったヘリの機体の一部とみられる「非常口」と書かれたドアが積まれていました。

海上保安庁・山添岳大警備救難課長「捜索ですが風や潮流といった気象海象を勘案し、捜索海域を設定のうえ巡視船4隻により捜索海域を分担して捜索しております。今のところ手がかりにはありませんが全力で捜索しております」

寺崎未来アナウンサー「宮古島と池間島を結ぶ池間大橋です。強風の中、橋の上から自衛隊員が捜索を行っています」

池間島の人たちからは不安の声が聞こえてきました。

池間島の住民「自分が池間大橋にいる時にヘリっぽいのは見たんですけど、すぐそこで落ちたのは心配ではありますね」

池間島の住民「不安はありますね。そんな簡単にヘリって落ちるものなのかなと不思議な感じもします」

池間島の住民「普段は(ヘリが)飛んでいるの聞こえるよ。だってここ通るんだもん、こうやって。早く見つかるといいですね。心臓が痛いよ、本当に」

陸自ヘリ行方不明 レーダーロスト2分前には管制と交信も…

消息を絶った陸自のヘリは熊本県に司令部を置く第8師団に所属するUH60・1機で南西諸島周辺の警戒や偵察を主な任務としていて、そのさなかに事故が起きたということになります。行方不明となったヘリには第8師団の坂本雄一師団長が乗っていたほかパイロット2人、整備士2人などあわせて10人が搭乗していました。そのうち一人は、宮古警備隊の所属でした。

陸自関係者によりますとレーダーから機影が消える2分前には下地島にある空港の管制官と交信をしていたこともわかっています。3月下旬に機体の点検をした時には異常は確認されていませんでした。陸上自衛隊ではUH60の飛行を見合わせています。

ヘリが消息を絶った海域の捜索は海保が巡視船を4隻出すなど自衛隊とともに進められています。これまでにヘリコプターの回転翼、いわゆる「ローター」のようなものが破損した状態で複数見つかったほかドアの一部とみられるものも発見されました。また、「陸上自衛隊」と書かれた袋に入ったままの救命ボートも回収されていて消息がわからなくなったヘリに積まれていたものだったことが確認されました。

ただ、10人の安否はいまだわからないままとなっています。

伊良部島から最新情報

陸上自衛隊は4月8日、保良の射撃訓練場での訓練を公開する予定でしたが急きょ、延期となり影響が出ていると見られます。

事故発生から1日以上が経った現場周辺の様子を寺崎アナに伝えてもらいます。寺崎さん!

陸自ヘリ行方不明 レーダーロスト2分前には管制と交信も…

寺崎アナウンサー「宮古島の北西に位置する伊良部島に来ています。午前10時すぎから降り始めた雨は強弱を繰り返していて、(体が揺さぶられるほどの)風の強さも相まって寒く感じられます。そして波も高い状態です。海の向こう見てみますと、視界が悪い中ですが、向こうにかすかに捜索中の海上自衛隊の船の様子を確認することができます。

「陸自ヘリが消息を絶ってから夜通しで捜索が行われています。また池間島や伊良部島では、自衛隊員らが陸地から、双眼鏡を使ったり、岩場を歩いたりして、手がかりを探している様子も見られました。」

「こちらの見晴らしの良い高台でも、24時間体制で自衛隊員が海の様子を監視しています。地元の住民によると、「このあたりは頻繁に自衛隊機が通る場所ではないので大規模な捜索を見て驚いた」「とても心配で早く助かってほしい」と話していました。10人の安否が未だ不明なまま現場は、2日目の夜を迎えることになります。」