那覇市議会の議長室で現金5000万円の受け渡しが行われた問題で久高友弘議員が3月7日に辞職した議長の後任が選出されました。
新議長は「市民に寄り添う議会にしたい」と話してます。
久高友弘議員の議長辞職に伴う後任を決める選挙が実施され、共産党の古堅茂治議員と公明党の野原嘉孝議員の2人が意欲を示しました。
野原嘉孝議員「失墜した信頼をどのように回復するか、私たち議員ひとりひとりの責任が問われていると思います。市民のための議会改革を目指し、全身全霊で尽くしていきたい」
古堅茂治議員「許されない政治と金の問題について徹底究明し、市民の信頼を取り戻すために市議会あげて取り組んでいきたい」
選挙では欠席した当事者の久高議員を除く39人に投票用紙が配られ、それぞれが1票を投じます。多くの票を得た人が議長に選出されます。
野原嘉孝議員「私、野原嘉孝が那覇市議会第41代議長に当選いたしました」
副議長を務めていた野原議員が21票を集めて議長に選出されました。ただ、那覇市議会に大きな影を落とした現金5000万円の受け渡し問題は議長の交代で幕が切れたとは言い難い状況です。
久高前議長「資金をどうにか都合しておくから受け取ってくれという話があったんです」
金銭を「要求していない」と主張する久高前議長。
会社代表の男性「地主を説得するんだったら予約金を入れなさい、予約金500万円でいいよと(久高前議長に言われた)」
「要求された」と主張する会社代表の男性、那覇市が管理する土地の所有権をめぐって議長室で多額の金銭が受け渡されたことは「政治と金」という重大な問題になりかねないだけに双方の主張が食い違えばそれだけ、何が真相なのかわからなくなってしまいます。
久高前議長「資金をどうにか都合しておくから受け取ってくれという話があったんです。議長室でこれをぜひ議長室でお会いしたいということで私は断ったんです。議長室は神聖なところだからこれは厳しいと」
2020年12月と2021年2月の2回で合計5000万円の受け渡しが行われていました。久高前議長は現金の受け取りを認めましたが、あくまで「土地の所有権を主張する女性が借りたもの」なので「法に触れるようなことはない」と説明しています。
会社代表の男性「(お金を工面した人が)袋にそのまま5000万円入れて来ているわけよ、そのまま空港で迎えて議長室(で渡した)」
会社代表の男性は「土地購入の手付金」だったという認識です。その証拠に、領収証や土地の購入に関する書類に女性との連名で久高前議長の署名があると話します。
会社代表の男性「(金銭の受け渡しは)一番議長室がいいからと戸を閉めたら誰も入らないからと、秘書に誰も入れるなって言ったら誰も入れないから一番安心だから(と久高前議長に言われた)」「道義的に不適切で市議会の信用を失いかねない」という声もあがっていて、議長を務めていた久高議員には詳細を明らかにする必要があるといえます。
知念那覇市長「今までご本人がいろんな場で説明をしたと思うんですけども、それが今、十分なのかどうかと、そこが焦点なんだろうと思う」
新議長に選出・野原嘉孝議員「しっかり会見の場を開くなり、しっかり市民に対する説明責任を果たすべきだと思います。議会からどういう風にアプローチしていくかは議員の各委員の皆さんとしっかり相談して検討してまいりたい」
議長に選ばれた野原議員は「議員や市職員と協力して目の前のいばらの道を乗り越える」と語りました。
「市民に寄り添う議会」をつくっていくためにも多くの疑念を払拭できるだけの真相究明が急務と言えそうです。