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動かぬ基地、きょうはアメリカ軍・北部訓練場ヘリパッド移設問題です。北部訓練場の返還に伴う、ヘリパッドの移設先のほとんどが東村・高江地区に隣接。反対運動を展開する住民に対し国は反対運動を妨害行為だと主張し、住民を訴えています。基地の負担軽減とは何か、を考えます。

やんばるの森に横たわるアメリカ軍・北部訓練場。広さ7800ヘクタールあまりの県内最大の演習場です。起伏の激しい地形とジャングルを利用した、対ゲリラ訓練や救助訓練などが行われています。1996年、「SACO」最終報告で、2002年度末をめどに、この北部訓練場のおよそ4000ヘクタールの返還が合意されました。しかし返還の条件とされたのが、ヘリパッドの移設。東村・高江地区を囲むように6か所のヘリパッドが作られることが決定しました。

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移設に反対する住民は、移設先決定の経緯や配備される機種、飛行ルートなどについての説明を求め、工事車両の搬入口前で座り込みなどを展開。しかし国はこれを工事の妨害と主張。妨害禁止の仮処分の申請を受け裁判所は住民2人に対する仮処分を認めました。さらに、この処分の決定を求めて裁判を起こしています。

そして、沖縄防衛局は、今月1日、高江で、今後のヘリパッド建設工事についての説明会を開きました。その中で、真部局長は、裁判所から一定の理解が得られてとして、次のように述べました。

真部朗局長「私どもとしては準備をしたところでですね準備が整ったところで、工事の再開をさせていただきたいと思っております。」

それに対して住民側は、自分たちが求めている説明がまったくされていないとして、改めて防衛局に説明を求めました。

住民「ヘリパッドのできた後の飛行ルートとか、どんな機種が飛ぶかとか、騒音のこととかも質問しているんですけど、それにまったく答えていただいていなくて」住民「声高に言っているじゃないですか、オスプレイが飛ぶことによって、それはいつ聞いても返事をしないではぐらかして、それを信用してくださいって信用できるはずが無いじゃないですか。」

しかし防衛局は「オスプレイの配備についてアメリカ側から具体的に回答は得られていない」と答えるとどまり、また、飛行ルートについても具体的な説明を避けました。そして、ヘリパッド移設については。

担当者「ヘリパッド移設によりまして、とくに高江区の住民の皆さんには騒音とか危険性とかいうご負担をお願いするかと思います。」

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伊佐真次さん「私たちは負担をしてもいいんですか?犠牲になれって言っているんですか?もう一回答えてください。」真部朗局長(県全体に占める基地使用の割合が)18%から14%にということであればですね、それはやはり、負担の軽減、県民負担の軽減という風に私どもはなると考えております。」

今回の説明会に参加していた、民主党の県議・山内末子議員は防衛局の「県民負担の軽減の考え方」を批判しています。

山内末子議員「(高江住民)160人の命をないがしろにして基地負担の軽減ということで我々県民が喜ぶようなそういう政策をやっちゃいけないというふうに思っております。」

また国が通行妨害で提訴した件についても全国的にも初めてで、将来に汚点を残すと厳しく指摘しました。

山内末子議員「自分たちの生活を守りたいとそういう表現の自由を国が司法の場に引っ張り出しながら、それを弾圧的なわが政権・民主党政権が行っているということに対してすごい憤りを感じながら。県連として県民の立場と本当に沖縄県の基地問題についてしっかり検証していけってぐらいの強い口調での作業をしていかなければならない時期に来ているかと思っています。」

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「命を守りたい」という方針を決め、沖縄の基地負担軽減を政策として掲げている国。高江のケースが、本当に県民の負担軽減になっているのか検証が求められてます。

沖縄の基地負担の軽減を掲げる連立政権。普天間基地の移設問題では、県内移設が 負担軽減にならない事を多くの人が訴えてきました。移設で新たな地域に負担がかかるこの高江のケースは基地負担の軽減には程遠いといわざるおえません。

反対運動を妨害行為と国が住民を訴える事態をみても負担軽減に向けた取り組みというには違和感を感じます。