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嘉手納基地周辺で判明した人体への有害性が指摘される有機フッ素化合物「PFAS」の汚染をめぐって、米軍が「発生源の対策は必ずしも経済的ではない」などと基地内での対策を拒否していたことがわかりました。
QABが入手した防衛局の内部文書は、嘉手納基地周辺の川などで高濃度の有機フッ素化合物が検出されたことについて、アメリカ軍と県企業局、防衛局の3者による意見交換の議事概要が記されたものです。
会合は2016年10月から2018年7月にかけて4回開かれていました。沖縄県企業局は嘉手納基地周辺の川などでの調査結果を示したほか、北谷浄水場で活性炭を使って濃度を下げる対策を取ったことなどを説明していました。
県側の意見「基地内で調査して発生源対策が可能か検討すべき」
米軍側の意見「発生源対策が必ずしも活性炭の対策より経済的になるとは思えない。米軍のみが発生源とは考えていない」
米軍側は基地内対策を求める県の要求を拒否するだけでなく、発生源について反論していました。さらに、米軍側は意見交換が行われていた当時、日本に有機フッ素化合物の基準値がなかったことに触れて「この問題はアメリカ軍ではなく防衛局に要求すべき」とも強調しました。
県企業局によりますと北谷浄水場では有機フッ素化合物を減らすために現在も活性炭の使用を続けていて、2020年度以降、活性炭を交換する費用について防衛省が補助を行っています。ただ、県が求めている嘉手納基地内の立ち入り調査は今も実現していません。
3者の意見交換は「日米合同員会で判断される内容」として2018年7月で終了しています。