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楽園の海、案内は水中ビデオカメラマンの長田勇さんです。今回のテーマは『この海を守りたい』です。

長田勇さん「伊良部島の海で、とある生き物の痕跡を求めて潜って来ました!」

とある生き物、気になります。早速、見ていきましょう。

長田勇さん「まずは、2023年初潜りでもご一緒したマリンズプロ宮古の冨谷さんと、「佐和田の浜」のインリーフへ。海に潜ってみると・・・」

水底に網が張ってありますね。

長田勇さん「これ何だと思いますか?」

何かの仕掛けですか?

長田勇さん「生き物を捕まえる為ではありません。冨谷さん、網の状態を入念にチェックしています。アップで見るとこんな感じ。」

何か藻のような物が生えていますね…。

楽園の海 ~この海を守りたい~

長田勇さん「冨谷さんの手元に注目して下さい。もうお分かりですね。」

もずくですか?

長田勇さん「はい、もずくの赤ちゃんです。実はここ、冨谷さんが管理するもずく畑なんです。」

小さいですね。1cmから2cmほどですか?

長田勇さん「はい、そうです。まだ網を張ったばかりなので、私の指と比べてみても、まだ食べる長さではないのが分かりますね。これからどんどん成長していきます。」

いつ頃、収穫できるんでしょうか?

長田勇さん「3月から4月には収穫するようです。」

楽しみですね。

長田勇さん「実は、この同じインリーフで、ある生き物が目撃されているんです。こちらの記事をご覧下さい!」

「沖縄タイムス 伊良部島周辺でジュゴンの食み跡発見」

長田勇さん「なんと!この日潜った「佐和田の浜」に、ジュゴンが餌を食べに来ているんです。」

それは嬉しいですね!

長田勇さん「伊良部島に滞在している間に、この食み跡を発見した(蟹漁師)吉浜 崇浩さんにお願いして、一緒に海へ出る事にしました。」

良い感じのサバニですね!

長田勇さん「ひょっとしたら、沖縄に残っている一番古いサバニかもしれないという事です。このサバニに乗って「佐和田の浜」へ。吉浜さんは、食み跡の発見だけでなく、この付近で3度ジュゴンを目撃したことがあるそうです。」

3度も見たということは、この周辺に生息しているってことですか。

長田勇さん「その可能性は高いと思います。ということで、以前食み跡が発見されたインリーフで、新たな食み跡を探します。」

砂地に海草が生えてますね。

長田勇さん「ここに生えているアマモは、ジュゴンが好んで食べる海草。」

1日どれくらい食べるものなのですか?

長田勇さん「1日で30kgの海草を食べると言われているんです。ジュゴンの食み跡を探しつつ、生き物観察もしていきましょう。」

岩の周辺には、小さな魚たちの姿も目立ちますね。

長田勇さん「ダイバーに人気のあるミナミハコフグの幼魚もいますよ。」

水玉模様が可愛いですね。

楽園の海 ~この海を守りたい~

長田勇さん「こちらはシノビハゼの仲間。砂地に穴を掘りそこを棲家としながら、辺りを警戒して生活してます。」

けっこう近くないですか?

長田勇さん「まっ、警戒している割には、5cm手前まで近づけたんですけどね。」

本当に警戒しているんですか(笑)

長田勇さん「こちらはクマドリキュウセンの幼魚。」

なんか、踊ってるように見えます!!

長田勇さん「海草に紛れながら、外敵から身を守っているんでしょうね。様々な生き物と出会えましたが、今回、残念ながら食み跡と断定できるものを新たに見つけることが出来ませんでした。」

そうだったんですね。残念でした。

長田勇さん「のんびりと泳ぐジュゴンの姿を沖縄の海でも撮影したい!!という願いを込めて、以前フィリピンで撮影したジュゴンの映像をご覧下さい。」

パラワン諸島・ブスアンガ島

長田勇さん「体長2m50cmほどの雄のジュゴン。名前はアバンくん。推定年齢は45歳という事です。

名前もついているんですか!長い間愛されているんですね。砂地をバクバクしていますが、食事中ですか?

長田勇さん「はい、勢いよく海草を食べていますね。」

楽園の海 ~この海を守りたい~

すごい迫力で、圧倒されます!

長田勇さん「こんなに間近で観察出来るので、私も撮影しながら楽しめました。実は、沖縄の海で2回、水中で泳ぐジュゴンを撮影した事あるんです。ですが、どちらかと言うと逃げていく感じで、遠くを泳ぐ姿のみだったんです。」

このように、間近で撮影できる環境は素晴らしいですね。つぶらな瞳がとても愛らしいです。

長田勇さん「沖縄のジュゴンは、世界の北限にあたるとされています。国指定の天然記念物でもあり、絶滅危惧種でもあります。沖縄に生息するジュゴンの個体数は、極めて少ないと思われます。「佐和田の浜」も、今以上の護岸開発が進むと、餌場がなくなりジュゴンも生息できなくなってしまいます。環境保護の観点からも、ぜひこの場所を保護区に指定頂きたいと思います。」

ジュゴンの生息地域ぜひ守っていきたいですね。

長田勇さん「いつの日か沖縄の海でゆっくりと優雅に泳ぐジュゴンの姿を撮影出来たらいいなと、本当に思います。」

そうですね。長田さん、今回も貴重な映像ありがとうございました。以上、楽園の海でした。