今を生きる私たちがこれからの50年100年先の沖縄の未来を見ていくシリーズ「IMAGINEおきなわ」です。第2回のきょうは「働く女性の未来をIMAGINE~生理の話はタブーではない~」今まであまり語られることのなかった「月経・生理」に関すること。きょうのキーワードは「女性の生理をイマジン」です。
生理について働く女性に聞いてみると?
会社員「すごく眠くなるな、というのがあって、そこはちょっとやりづらい、仕事がしづらいなというのはあります」「会社員男性が上司なので、そういったことを頻繁に口に出しづらいけど、2日目とかやっぱり体が重いとかちょっと気にしちゃって仕事に集中できないとかもありますね」
会社員「立ち仕事してるので、なおかつ生理だと体が重く感じちゃうので一日中立つというのが難しいなというのはすごく思います」
職場では話題にあげにくい「生理の悩み」こちらの調査では女性の6割以上が生理が一番つらい時でも我慢して普段通り働いている、と答えています。
女性個人の“問題”とされてきた「生理」の悩みを、受け止めようという企業が増えています。SDGsのプロジェクトとして沖縄タイムス社で開催された勉強会にも県内の多くの企業が参加しました。
司会者「生理中の女性が2泊3日の出張に行くことになりました。その場合生理用品をどのくらい持って行くのか必要かというところを考えてみたいと思います」
男性が少し戸惑いながら手にしているのは生理用品。
参加男性「人生で初めてこんな大量のこういうものを触らせていただいて」
髙宮城直子医師「だいたいこの乳酸菌飲料2本分くらい、これくらいの出血量がある。多い方はもっとたくさん出てます。これ140ml」
勉強会は女性の身体、ホルモンバランス、そして生理の仕組みや不調を学ぶというもの。講師を務めたのは産婦人科医の髙宮城直子さんとOIST客員研究員のオリガ・エリセーバさん。
髙宮城直子医師「いろいろな立場の人がいるんですね、子どもを産んでる人、産んでない人、生理多い人少ない人、いろいろありますのでお互いの立場を思いやりながらやるということが大切ですね。」
オリガ博士「今だからこそ、いろいろな情報があるしSDGsの時代は始まっているから、今まで性教育を受けなかったと言って、今学ぶチャンスだと思います情報がいっぱいある」
勉強会の参加者たちはどのように感じたのでしょうか
参加した企業の男性「これまで女性の身体に関して全く勉強とかしてこなかったので自分の知識不足の恥ずかしさ、というものもありながら知識が吸収できたことが非常によかったなと感じております」
参加した企業の女性「私はこの業界に30年近くいるんですけど、やはり生理だとかそういったことをしゃべりにくい、生理痛がひどくて休みたいのにって言っても休めない状況とかもあるので、そういったことも気軽にしゃべれる部署を作るなり勉強会を開けるなり、というのが必要かなと」
大切なことは、まず知る事、生理や妊活、更年期といった女性特有の健康課題を最新技術やさまざまな工夫で解決する「フェムテック」の認知度が高まっています。
このような変化の中、女性はどのようにキャリアをプランニングしていけばよいのか。髙宮城医師のクリニックを訪ねました。
髙宮城医師「女性は毎月ホルモンが変化していって、生理前1週間2週間は不調になっちゃう人もいますし月経自体、生理自体が重くて痛みが強い、また経血量が多くて貧血になってかなりきつい状態で働いている人もいる。ということは月経の軽い女性、生理の軽い女性にも理解されにくいし、ましてや男性には理解できないところだと思うので、やはりそういう変化を毎月毎月か抱えているんだということをまず知ってほしいということですね」
毎月のホルモンの変化に加え女性ホルモンはこのように年齢で大きな変動が起こります。妊娠、出産でも大きく変動し閉経を迎えるころに再び大きな変動が起こるため体調のバランスがとりにくくなる原因です。一方男性ホルモンはこのようにゆるやかに変動するため変化に気づきにくいと言われています。
このグラフを作成した髙宮城医師からのメッセージ。それは「よく知る事」
髙宮城医師「働く女性のみなさんですね、日々のお仕事も大変だと思うんですけど自分の身体と向き合ってない人も良く見かけるので自分のことは後回しになってしまう、家事も忙しい、お仕事も忙しい、となってそうじゃなくて自分のサイクルはどうなのかとか記録してみたり生理の前の4~5日が一番パフォーマンスが落ちるのか、とか体調が崩れるのかとか、メモしてみると分かってくるんですね。自分で自分の身体を知る」
髙宮城医師「そしてみなさん我慢してるんですね、月経痛ぐらいで生理痛くらいで病院に行っちゃいけないんじゃないかとか、PMS、生理前の不調で相談して果たしていいのかっていうのを想われてる方もいると思うんですけど、今どんどん相談していただいて何か一緒に解決方法を探せますので我慢しないで、かなり体調悪い日は仕事を休むなりしてちゃんと受診していただきたいですね、婦人科のかかりつけ医パートナードクターを持ちましょう、ということですね」
未来をイマジンするためにがんばりすぎない、自分をよく知る、今夜は少しゆっくりして自分をイマジンしてみませんか?
「男性側としては配慮やできることはしてあげたいけれど実際にはどうしたらいいのかがわからないというのが現実だと思うんですね」
「女性も悩んでいますが男性も悩んでいることがわかりました。お互いを知りお互いに配慮しあう、良い職場環境を作っていくことでパフォーマンスがあがり未来の沖縄につながっていくのではないでしょうか」