ことし1年、県内の動きをまとめた「２０２２年録」きょうは「選挙」についてです。ことしは、県知事選をはじめ、多くの市長選などが行われた選挙イヤーとなりました。多くの選挙が行われる中で、これまでには見られなかった動きも見えた１年となりました。
７つの市長選と参院選、そして県内最大の政治決戦、県知事選が行われ選挙イヤーとなった今年。その初戦となったのが１月の名護市長選。辺野古新基地建設問題を抱える名護市ですが、辺野古反対を訴える新人に対し現職の渡具知さんは賛否を明確にせず、給食費の無償化など1期目の実績を強調し再選。
その後行われた市長選でも従来通りの「オール沖縄対自公」の構図となりましたが7月の参院選前に行われた市長選はすべて自民公明が推す候補が勝利。現職も敗れるなどオール沖縄は不安要素を抱えながらの参院選となりました。
9月に実施された県知事選の最大の前哨戦と位置づけられた7月の参院選。自民党は、元総務省官僚で当時３８歳の古謝玄太さんを擁立。
古謝玄太さん（6月13日OA）「もちろん県外・国外に移転できるのであればそれに越したことはないと思っておりますけど、やはり普天間飛行場の危険性除去は最優先課題であると考えているので、現実的な早期の危険性除去方策として辺野古移設を進めることが必要ではないかということで容認ということで書かせていただいた」
この選挙で自民党は全県選挙で初めて辺野古容認を明言。これに加え落ち込んだ県経済の回復などを訴えました。また選挙戦を通しては岸田総理を始め連日大物政治家が沖縄入りするなど沖縄を重点選挙区に位置づけ。
対するオール沖縄から出馬した伊波洋一さんは従来通り「辺野古反対」を明言。辺野古に対する対立軸が鮮明となる中、結果は。2800票あまりという僅差で伊波氏が再選を果たしました。
辺野古反対の民意が示された一方で、以前と比べ、基地の問題より経済を重視するという有権者の意識の変化が現れた選挙結果ともなりました。
そして、9月に行われた県内最大の政治決戦、県知事選。現職の玉城デニーさんに加え、自民が擁立した佐喜眞淳さん、そして元衆院議員の下地幹郎さんによる三つ巴の選挙戦となりました。
現職としての知名度を生かしながら辺野古新基地建設反対を訴えた玉城さんに対し４年前のリベンジを目指した佐喜眞さんでしたが、過去に、いわゆる旧統一教会のイベントに出席していたことが判明。
この問題も尾を引いてか、選挙戦は参院選ほどの盛り上がりは見られず結果的に玉城さんが再選を果たしました。オール沖縄対自公の構図で続けられてきた今年の選挙。しかし、選挙イヤーの締めくくりとなる那覇市長選でこの構図に大きな変化が生じました。
現職の城間幹子市長が出馬しないことを表明し新人同士の争いとなった選挙戦。副市長として城間市長を支えた知念覚さんが自民などの推薦を受ける一方、城間市長が支援を受けていたオール沖縄側からは翁長雄治さんが出馬。
自身を支えてきた知念さんとオール沖縄の翁長さん、城間市長がどちらを後継と考えるのか注目されていた中告示直前に、城間市長は自民公明が推す知念さんの支持を表明。
城間市長（10月14日OA）「２期８年間、翁長雄志から「覚頼む」と言われて、副市長に据えて８年間共に市政運営をしてきた。それはもうまぎれもない事実である。それに対する８年間も一緒にいたということの責任は、責任をとるということがふさわしい表現が分かりませんが、それだけの信頼感があったというのは事実です」
自民公明に加え、これまでオール沖縄の立場だった城間市長の支持を受けるという異例の選挙態勢で挑んだ知念さんが勝利。これまでの「オール沖縄対自公」の構図に一石を投じた選挙となりました。
今年実施の選挙も終わり、来年は大きな選挙がない中次に控えるのは再来年の県議選。自民党県連は先週の県連大会で仲田弘毅県議を新たな会長とする新体制を発足。４年後の県政奪還に向けた足掛かりとして過半数の獲得を目指します。
仲田弘毅会長「選挙イヤーだけではなく選挙がない来年も頑張らないといけない。そのための下地づくり、機会とか時期とかチャンスを県連としてどういうふうに頑張っていくのか、これが一番大事だと思う」
一方、玉城知事にとっては安定した県政運営のためにオール沖縄勢力での過半数の維持は至上命題と言えます。
玉城知事「県民の暮らし、生活が向上していくこと、県政の発展がこれからものびやかに進められていくことについて連帯して取り組んでいきたい」
様々な選挙で多くの有権者が自らの思いを託して1票を投じたかと思います。その思いがどのように形として現れるのか、注目していきたいと思います。