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12月16日、閣議決定された「国家安全保障戦略」など安全保障関連の3つの文書では沖縄での自衛隊の体制強化が打ち出されました。専門家は「自衛隊の視点で沖縄を「戦場」としてみている見ているのがよくわかる」と指摘しています。3文書などを踏まえ、政府は那覇駐屯地を拠点にする陸上自衛隊第15旅団について「師団」に増強する方針です。

また、空港や港湾などを整備・強化し訓練で使用することや、「沖縄における国民保護をも目的」として、陸自の体制強化を図ることなどが記されました。

2022年11月の日米統合演習で自衛隊は与那国町の与那国空港に輸送機で「機動戦闘車」を空輸し、公道で走行させ、中城湾港では、民間大型船を使った車両の輸送作業を実施しました。文書の方針を受け、今後、自衛隊による県内の民間の港や空港を使用した訓練が、離島も含めて拡大していく可能性があります。

国際政治学者で琉球大学の我部政明名誉教授は、民間地域の自衛隊の訓練について「文書を先取りする形で行われてきた」と指摘しました。

我部政明名誉教授は「この文書が今月出て、1月、来年・年明け以降にこういった(民間港湾・空港での)訓練をするときに大義名分・根拠はこの文書に基づいてやっているんだと政府は言うんのだと思いますね」と述べました。

また我部さんは今回の文書では、有事の際に、国民の視点が反映されていないとして、県民や国民も文書に目を向けることの必要性を強調しました。

我部政明名誉教授は「国民の視点で、自分たちがどのようにこの文書の中で描かれているか、というところだけでも読んでみると、国民がいないんだな、と。自分たちのことはあまり政府は考えていないんだなと、わかると。ですから、逆に言えば、自分たちは戦争になったときにどのようにされたいのか、どのように守ってほしいと思っているかと言いうことを考えてみて、それを自分たちの選挙区から出ている政治家にちゃんと伝えて、それを国会で議論してほしいということをいうべきなんでしょうね。まずは」と述べました。