スポーツです。まずは来年春で旗揚げから10年となる琉球ドラゴンプロレスからお伝えします。団体を率いてきたグルクンマスクが休業宣言。その思いに若手が奮起しました。
きのう沖縄市で開催された琉球ドラゴンチャンプルー。琉球ドラゴンプロレスが、毎年沖縄市社会福祉協議会にチャリティーを行っている大会です。リングの上では神戸・ドラゴンゲートのイケメンノリノリのレスラーたち。
そして九州プロレスの個性派選手も所狭しとパフォーマンス。おとぼけあり、そして手に汗握る展開ありさらにホラーもありとバラエティーに富んだ全5試合が行われ、会場を熱気に包みました。
トリを飾ったのはシングルタイトルマッチ「琉王(りゅうおう)」選手権試合。ドラゴンプロレスが創設したタイトルベルトを奪取した王者、ドラゴンゲートのBen-K(べんけい)に、地元琉ドラから美ら海セイバーが挑戦しました。
いきなりの仕掛けからリズムをつくったのはセイバー。得意の速攻で主導権を握ります。たまらず場外へ出た相手に、ダイビングアタック。一気に勝負を決めたいところ。しかし身長163cmのセイバーに対し175cmのBen-K。強いフィジカルと現王者の意地を見せます。
お互いのストロングポイントを発揮した好カード。勝負の行方は、紙一重の勝負、先に3カウントを奪った美ら海セイバーに軍配。見事チャンピオンベルトを取り返しました。
美ら海セイバー「自分の持ち味を出して何とかベルトを取り返せたと思っている。グルクンさんがずっと出てトップを走っていても若手が育っていかないところがあると思うので我々が支えていきたいと思っている」
団体代表、そしてエースとして旗揚げからドラゴンプロレスを率いてきたのがグルクンマスク。51歳。
アクロバティックな技巧派レスラー、そして大阪出身の面白くて熱いおじさん。両方の顔で沖縄のリングを盛り上げてきました。来年春で旗揚げから10年を迎えます。
琉球ドラゴンプロレス代表・グルクンマスク「10年というと一区切りになるだけかなと思っている。11年、12年、20年、30年と頑張って続けていけたらと思う」
その背中を追ってきた後輩たち。元ボクシング国体選手ならではの打撃系で観客を沸かせる首里ジョー。
そして練習生から努力を重ねプロレスラーになった糸満出身の重力級、ウルトラソーキなど琉球ドラゴンプロレスの選手は首都圏や関西などのリングでも会場をうならせる試合を見せられるようになっています。
グルクンマスク「これはもう僕が前に出てどうのこうのというのはもうやらなくても良くなってきたのかなということがあったのと、運営に専念しようということ」
もっと沖縄の人にプロレスを知ってもらい、足を運んでもらいたい。その思いから来年春の10周年記念大会を最後にレスラー休業を宣言しました。
その休業まで、グルクンマスクは若手の奮起を促し続けます。期待するレスラーの一人がティーラン獅沙(シーサー)。南城市出身です。この日はタッグマッチの対戦相手として顔を合わせました。
グルクンマスク「彼はデビューは千葉の団体だったが、もともとウチナーンチュレスラーで、常に将来有望な選手なので彼の活躍も期待したい」
ティーラン獅沙「プロレスを使ってもっと沖縄を盛り上げていきたい。自分がベルトを取りたいという気持ちもあるので、もっと自分が盛り上げるという気持ちが必要と思う」
試合はグルクンマスクのペアが勝利を収めました。簡単には追い越させない、ベテランの意地も垣間見せました。
親子で観戦の観客「(コロナ禍で)動画(試合配信)ばかりだったがやはり生では全然違う」
京都から観戦の観客「ドラゴンゲートの選手が好きだがそれを見に来て。でも第一試合から全部楽しかった」
グルクンマスク「いまは自分の持てる力の出し方をみんなが分かってきているので、非常にいいものができたと思う。正直ちょっと休みたいという気持ちがあるが、残りの時間を悔いなく過ごしたいと思う」
ティーラン獅沙「グルクンさんが休業するまでに意地でも若手の力を見せる。必ず超えたいと思うのでギャフンと言わせてやる」
若手の奮起が沖縄のリングをさらに熱くしてくれそうです。