首里城火災から3年、再建へ向けていよいよ本格始動です。4年後の完成を目指して起工式が行われました。
出発の儀・クェーナ復元に使う材木を首里城に奉納する「木遣行列」は木のお清めと再建の無事を願う歌で幕が開けました。
中村守アナウンサー「大勢の人に見守られながら、御材木が今ゆっくりと首里城へと進んでいきます。秋晴れのもと、沿道にもたくさんの人がつめかけています」
地元・首里の人をはじめ県内外から集まった約130人が守礼門までゆっくりと一歩一歩、歩みを進めていました。
行列の最後尾に陣取った御材木は国頭村で切り出された樹齢98年の「オキナワウラジロガシ」で長さ9m・重さ4tにもなり正殿の玉座の上にある梁に使われます。
訪れた人「一日も早く復興して、琉球、あるいは沖縄のシンボルとして、首里城がみんなにお披露目できるように、みなさんにご尽力いただいきたい」
訪れた人「感動ですね。人生に一度しかないと思うので。きょうは来れらて良かったです」
旗頭の一斉演舞木遣行列で守礼門近くまで運ばれてきた御材木を前に首里の旗頭13団体による勇壮な一斉演舞と再建を祈る大きなかけ声が集まった人たちを魅了しました。
玉城真由佳アナウンサー「まるで琉球王国時代にタイムスリップしたかのような光景を一目見ようと県内外から多くの人が集まっています」
再建に向けた節目の一日となった11月3日は琉球王国時代の行事で国王が城下にある3つの寺をまわって国家の安寧と五穀豊穣を祈願する「三ケ寺参り」を再現した「古式行列」も行われました。
玉城真由佳アナウンサー「ひときわ目を引くのは色鮮やかな衣装に身を包んだ国王と王妃の姿です。荘厳美麗な当時の華やかな様子を伺うことができます」
国王や王妃、役人に扮して当時の宮廷音楽の演奏にあわせて奉神門から守礼門までの道のりを厳かに練り歩き、首里城再建の本格的な始動を祝っているようでした。
国頭村から県内各地をまわって首里城に運び込まれた3本の「御材木」のうちの1つにノミが入れられ火災で焼失した正殿の再建が本格的に始動しました。
首里城公園内で執り行われた首里城正殿の復元に向けた起工式には玉城知事をはじめ岡田沖縄担当大臣など県内外から約240人が出席して再建の成功を祈願しました。
玉城知事「本日の起工式は一日も早い首里城の復元を願う県民をはじめ、国内外のたくさんのみなさまの思いの結実に向けた大きな一歩と捉えております。焼失前よりさらに魅力ある首里城になるようしっかりと進めてまいります」
岡田沖縄担当大臣「令和8年の正殿の完成に向け引き続き、関係省庁や沖縄県と緊密に連携し、国として責任を持って復元に取り組んでまいります」
また、専門家でつくる復元に向けた技術検討委員会の高良倉吉委員長も「検討作業を行ってきた者としてこの日を迎えられたことをうれしく感じている」とあいさつしました。
復元が始まった正殿は2026年秋ごろに完成する見込みで工事の期間中も在りし日の姿を取り戻していく過程が一般公開されることになっています。