高校バスケ、3年生にとって最後の全国大会・ウインターカップの県予選決勝がきのう行われました。
男女ともに去年と同じ対戦カードの因縁の対決。大会65回目で初めて会場となった沖縄アリーナのコートで熱戦を繰りひろげました。
琉球ゴールデンキングスのホーム、沖縄アリーナで初めて開催された高校バスケウインターカップ県予選決勝。映像と音楽を融合した、キングスの試合さながらの演出でスターティング5が発表され、試合前から会場の熱気が高まります。
先に行われた女子の決勝は去年と同じカード。5年連続の優勝を狙う西原と、初優勝を目指す小禄が対決しました。
第1Q、西原は3年生の宮里綺羅乃。対する小禄は3年生新垣璃(あき)。お互い譲らない展開のなか、第1Q終了間際、ブザービーター。
沖縄アリーナという大きな舞台でチームに流れを引き寄せると第2Q、左ひざ前十字靭帯断裂のけがから復帰した3年生・榮門由華が、8カ月ぶりにコートに立ちます。
西原・榮門由華選手「復帰戦で緊張して体は動かなかったけど、やってやるぞという気持ちになった」
追いかける小禄は最終第4Q。けがで万全の状態ではないキャプテン・吉田菜々美がコートへ。
小禄・吉田菜々美主将「流れが来たときにあまり自分たちのものにできていなかったので、流れをどれだけ自分たちに持ってこられるかを考えていた」
キャプテンがコートに立ち、再び勢いづいた小禄は3年生、與座姫奈乃(ひなの)や湊川瞳月(しずく)が得点し、最後まで戦い続けますが、西原が5連覇を達成し、ウインターカップ出場を決めました。
西原・宮城七青主将「(Q.全国に向けての意気込みは?)全国では自分たちの悔いがないようにプレーして、ベスト8を目指します」
小禄・吉田菜々美主将「コロナ禍もあったので部活の時間は少なかったけど、自分たちでも自主練したりして、チーム的には良かったかなと思う」
小禄・湊川瞳月選手「一番は人間として大きく成長できたので、すごく濃ゆくて自分にとって良い3年間になったと思う」
続いて行われた男子決勝戦も去年と同じ対戦カード。「美来工科」対「豊見城」。
この2チームはちょうど1年前の10月23日、ウインターカップ県予選決勝で熱戦を繰り広げました。その時はわずか3点差で美来工科が勝利。敗れた豊見城で、大粒の涙を流したのが当時2年生ながらエースとして活躍していた松田悠之介でした。
あれから1年、最高学年となりキャプテンとしてチームを引っ張る松田を中心に、美来工科への雪辱を誓っていた豊見城。しかし、試合序盤にペースを掴んだのは去年のウインターカップ・今年のインターハイといずれも初戦で逆転負けを喫し、全国大会での勝利を目指してきた美来工科。
松田へのマークが強く、豊見城が追いかける展開が続く中で、同じ3年生・中村仙汰が気を吐きます。
美来工科・中村仙汰選手「悠之介だけになるんじゃなくてみんなで攻めて、それができた時が豊見城強いと思うので」
後半に入ると、松田も勢いを増します。豊見城が逆転に成功し、6点をリードして迎えた最終第4Q。もう一度全国を目指す美来工科が猛追を見せます。流れの悪い展開に松田も熱くなりますが…。
豊見城・松田悠之介主将「自分が熱くなるのは練習中からあって、変な圧迫感というか、自分が出すいつも敗因となるような空気を流さないように日ごろから声をかけてほしいとは言っていたので」
仲間の言葉に冷静さを取り戻した松田はその直後、スリーポイント。そして、激戦を制したのは豊見城高校。チームを引っ張ってきた松田悠之介の目には涙!去年流した悔し涙は、ことし、うれし涙に変わりました。
豊見城・松田悠之介主将「(Q.今の気持ちは)昨年のこの日、10月23日に先輩たちを負けさせてしまって。その後もインターハイと負けが続いてしまったんですけど、最後こういった形で終わることができてうれしいです」
女子・西原と男子・豊見城は12月23日に開幕するウインターカップに出場します。