今回の裁判に沖縄県名護市の大浦湾でダイビングツアーを営む男性が原告に加わっています。その思いを聞きました。
ダイビングツアーを営む・岩本俊紀さん「自然を冒とくした違法工事が粛々と行われてるってことに対して、僕はやっぱり強い怒りしかないです」
沖縄の海に携わる仕事に憧れて23年前に和歌山県から移住してきた岩本俊紀さんは大浦湾を中心としたダイビングツアーを10年以上続いています。
ダイビングツアーを営む・岩本俊紀さん「わずか20キロ平方メートルなんですよ。(そこ)に5300種、この密度の濃さっていうのは圧倒的なんですよね。やっぱり生き物層がぎゅっと詰まっている」
8月23日も県内外から集まった参加者に大浦湾が育んできた豊かな海の希少性を伝えていました。
大浦湾は世界でも有数の多様性にあふれた場所であることを示す「ホープスポット」に登録されています。絶滅危惧種262種を含む5334種の生物が生息しているとされ、2006年から10年間で、エビやカニなど26種類の新種が見つかっています。
辺野古の新基地建設による大浦湾への影響が懸念されていて沖縄の財産ともいえる貴重な海を埋め立てる強硬姿勢を崩さない国のやり方に岩本さんは疑問を抱いています。
ダイビングツアーを営む・岩本俊紀さん「沖縄県とちゃんと話し合いを持ちながら進めていきなさい、とうたわれているにもかかわらず、そういうのも全く無視で、事あるごとになんかもう、終わったものみたいなそういう対応をしているのが防衛局だと、国だと思うんです」
岩本さんは生態系が危機にさらされている大浦湾を守りたいと考え今回、辺野古の裁判に加わることを決めました。
ダイビングツアーを営む・岩本俊紀さん「埋め立てが進んで大浦湾が使えなくなったり、サンゴが死滅してしまうと、やっぱり仕事に影響が出てきてしまう。私だけに限らず、大浦湾を利用している店はまだまだたくさんありますんでね。これまでと違って少しでも前進することを期待しています」
辺野古周辺の住民が国を訴えた裁判は度々起きていますが住民の訴えは門前払いとなっていて今回の裁判も厳しい道のりになることが予想されています。
それでも、今、工事を止められれば失われた海を元通りにできると岩本さんは法廷闘争に希望を託します。