かわっては小学生の柔道家たちの戦いです。夏の沖縄一を決める各学年での個人戦大会が行われ、将来、沖縄柔道界を沸かせそうな期待高まる選手たちが熱い試合を繰り広げました。
夏から秋にかけ10競技が行われる県内小学生のスポーツ大会新報児童オリンピックの柔道。6年女子55kg級の注目は162cmの長身、真柔会の泰川歩和(ほのか)選手。
自ら積極的に仕掛けていくスタイル。1回戦は不戦勝、準決勝では、技あり2つで合わせて一本勝ち。そして決勝では鮮やかな一本勝ちで、見事優勝を決めました。
真柔会泰川歩和選手(小6)「全部一本勝ちでできれば取りたいと思っていたので(準決勝は)技ありで合わせて一本だったのでちょっと悔しい」
柔道一家で育った歩和選手。父親で所属する真柔会の監督、雅典さんの指導のもと4人兄弟の末っ子として成長。
真柔会泰川雅典監督「自分に負けない強い気持ちこれが標語なので親としても監督としてもそのように思っている」
真柔会泰川歩和選手(小6)「お姉ちゃんたちが九州大会とか全国大会に出るのを見て、自分も(全国大会が増える)5,6年生になったら頑張らなきゃなと思って」
その背中を追う歩和選手。この大会でも優勝でめでたし、では終わりませんでした。実は5,6年生の、男女各階級2位までの選手たちにはもう1つの「大会」が待っていました。
11月に聖地、東京の講道館で行われる日整全国少年柔道大会。5人の団体戦で行われこの県代表決定戦を男女混成のトーナメントで行うのです。
6年生2枠を争う勝負で、泰川選手は初戦、男子45kg級2位の選手に勝利。そして2回戦ではもっとも重い男子65kg超級のチャンピオン。この日初めて自分より大きな相手となる殿内(とのうち)選手と対戦。それでも、スタイルは変えず果敢に攻めていきます。
真柔会泰川歩和選手(小6)「自分のできる限りの力を尽くして精一杯頑張ろうと思っていた」
ついに、態勢を崩すことに成功して技あり獲得。残り15秒。引いて逃げることも頭をよぎりそうですが、ここでも前に。しかし男子最重量王者の意地。技ありを取り返されました。ポイントでは同点。勝負の行方は判定へ。
2対1と紙一重での勝利。あと1つ勝てば全国へのキップが手に入ることに。運命の3回戦。ここで対戦するのは、同じく男子選手を倒して勝ち上がってきた伊平屋柔道塾の名嘉美理逢(みりあ)選手。過去たくさんの大会で対戦してきたライバル同士です。
真柔会泰川歩和選手「(名嘉さんとは)ずっと負けたり勝ったりで五分五分の相手」
伊平屋柔道塾名嘉美理逢選手「小さい時からずっと一緒に(大会で)あたっているので練習相手になってくれる時もあって大切な存在」
攻める歩和(ほのか)選手、冷静にチャンスを伺う美理逢(みりあ)選手その結果は?
普段は小学校や地域の人たちに稽古をつけてもらっているという美理逢選手が伊平屋に吉報を届ける、全国出場権を獲得しました。
伊平屋柔道塾名嘉美理逢選手「自分でもびっくりしていて少しでも島の役に立てたらなというのもちょっとあって、とてもうれしい」
真柔会泰川歩和選手「私が負けて名嘉さんが日整に行くことになったが日整に行って優勝してほしいと思う」
手応えも悔しさもあったこの日の試合。小学生世代の切磋琢磨は沖縄柔道のこれからを活気づけてくれそうです。