やんばるから夢の舞台を目指すチームは、春の悔しさをバネに夏の大会へ挑もうとしています。仲間のために何ができるのか?選手が自分自身に課した「責任」がチームの成長を促しています。
夏の大会を前に、北山でもベンチ入りメンバー20人が決まりました。入れなかったメンバーも心ひとつにチームのためできることで汗をかきます。
與那嶺光星主将「ベンチ外のメンバーがしっかりこの水(たまり)をとってくれて。その感謝をしっかりプレーに移すためには練習を一球一球集中してやっていくというのが大切になってくると思う。意識を高く持ってやっていけるようにしよう」
北山は去年、秋の大会で創部以来初めてのベスト4に入りました。この夏は1回戦屈指の好カード、糸満との試合が決まっています。
仲里琉清副主将「(糸満は)いいチームなので、自分が夢翔をしっかりリードして、打撃でも全員で夢翔を支えて守備・打撃で支えてしっかり一戦一戦勝ち上がっていきたいと思う」
キャッチャーを務める副キャプテンから名前が出るのはチームのエース、知念夢翔。
去年秋の県大会では準々決勝の沖縄尚学戦をはじめ、1回戦から4試合完投でわずか4失点。ベスト4進出の立役者となりました。しかし連投となった準決勝の前原戦では疲れからコールドで敗れ、センバツをかけた九州大会には出場ならず。
知念夢翔選手「連投で次の日(の試合)に疲れで球が走っていなかったり、甘く入ったり。その課題をつぶすという感じで、日々の練習をやっている」
さらに、シードで迎えた春の県大会でしたが、初戦となった2回戦で日本ウェルネスに1-3で破れました。
與那嶺光星主将「秋ベスト4に入って、春初戦に入る前に新型コロナの(部活中止)期間があって、その新型コロナの期間でチームがちょっと乱れてしまったところがあって」
仲里琉清副主将「どうせ夢翔が抑えるからという感じのチームの雰囲気で、夢翔が投げれば勝てるみたいな」
思うような結果が出ず、メンバーの気持ちはバラバラになりかけました。
中本昌弥監督「チームが勝つために何が必要か、チームが勝つためのことを(自分で)選択することだよと。それを一生懸命やることが責任ということを彼らに一番伝えている」
人任せでなく自分の考えに、プレーに責任を持つ。その呼びかけは選手たちにも変化を生みました。
仲里琉清副主将「夢翔を援護していこう、支えていこうという一人ひとりの意識が上がってきて、打力もアップしていって」
仲里陽選手「夢翔もきつかったと思うので、自分も夏に投げられるように頑張っていきたいと思ったので、ピッチャーにまた志願した」
金城勇汰選手「陽と俺で夢翔の助けになるという部分もずっと思ってきていて。バッターが点を取りやすい流れを持ってくるようなピッチングをしていきたい」
チームの大黒柱も仲間のサポートとエールを受け、さらなる活躍を誓います。
知念夢翔選手「自分も楽になるし、試合も2人は作れると思うので、ピッチャーしてくれると言ってもらったから、ちょっとうれしかった。みんなを(甲子園に)連れていきたいので頑張る」
エースを中心に再びチーム一丸の態勢を整えた北山。練習でも一球一球に対する集中力が上がってきたといいます。
與那嶺光星主将「練習のやり方とか、一球に対する気持ちというのはしっかり持ってやっていかないと強いチームには絶対に勝てないと思ってやってきたので、負けを自分たちの弱さと認めたところが雰囲気を上げる要因にはなった」
春の悔しさを糧にした北山ナイン。一人ひとりが責任感を持って、本気で一生懸命に、夢の聖地を目指す。
松下半蔵選手「後悔を残さないようにやりきりたい。甲子園に行って勝ちたい」
宮城敏伍副主将「1年の時からやってきたことをしっかり最後の大会で出せるように、1人ひとりが自分の出せる力をいっぱい出して、甲子園に行けるように頑張りたい」
『北山高校行くぞ 赤鷲 飛甲てっぺん!!』