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ポーランドでウクライナからの避難民を支援している県出身の東優悟さん。長引く紛争で先が見通せない中、ロシアのウクライナ侵攻によって故郷を奪われた人々の生活を安定させるための、新たな支援をはじめるべく動き出しています。

東優悟さん「戦争が終わったとして彼らはどこに帰るのか。それが自分に起きたときに、その人々の関心がなくなり支援がなくなったときに、それで自分自身はそれでいいのか、というのを考えたときに絶対それでいいわけじゃないと思うんですよ」

マルタさん「今、ウクライナ人が戦っているのは、世界の自由のためでもある、ということを認識して欲しいです。彼(プーチン)の動きを、市民のレベルで政府に対して「その戦争を止めるように」と伝えていくことができなければ、この先同じような人が出てきて、同じようなことが起こってしまいます。そうならないためにも、世界の人々立ち上がって、それぞれの国の政府が、この戦争を真剣に受け止めて、止められるようにする必要があると考えます」

ポーランドで暮らす県出身の東優悟さんと、婚約者のマルタさんの2人は、ロシアのウクライナ侵攻が始まった頃から、自宅で避難民を受け入れるなど支援を続けています。厳しい戦況が続くウクライナの都市「キーウ」から西に800キロメートル。東さんたちの住まいがあるポーランドの都市「カトヴィツェ」があります。

ポーランド在住・東さん 託児所で自立した生活を支援へ

最近は、行き場を失い、駅で寝泊まりする人などは減ったものの、一時避難所は生活していく上で厳しい環境だと、東さんは言います。

東優悟さん「(一時避難所は)夏場は窓もないのに、閉め切った場所で、もう3000人とかで、部屋一つの大きな倉庫の中に住まなきゃいけないんですよ。また、本当にまだ生後2週間とかの子どももいたらしくて、その子たちがこの先、衛生環境も良いとは言い切れない状況の中で住まなきゃいけないっていうのを考えると、やっぱりその社会的な自立の支援っていうのは、人として最低限の生活をする上ではとても大切なになってくるのかなっていうふうにこのポーランドの現状をみて感じています」

いつ故郷に戻れるのか、いつ安全に暮らせるのか・・・先の見えない中、ウクライナの人々はこれから、避難先のポーランドで自立した生活をしていく必要性が出てきています。東さんとマルタさんは、避難してきた人たちの就職支援と、子どもたちの居場所づくりという課題を解決するために、現在、地元のNGOと連携して託児所の設立に向けて動き始めています。

東優悟さん「異国の地に自分の奥さんだったり、お子さんを、逃したというか、送ってしまったというか、お父さんたちは結局戦場に残ってるじゃないですか。異国の地で苦しい生活をしているという状況を、お父さんたちが心配しているというのが、既に分かったので、まずは戦場にいるお父さんたちが、家族の心配を少しでもしなくていいように、少しでも安心できるように、というのがこの託児所のコンセプトであって、それが私とマルタがイメージした託児所の意義で、今それを実現に移しているという段階です」

ポーランド在住・東さん 託児所で自立した生活を支援へ

マルタさんは、託児所を運営するために必要な資格を取得しました。カリキュラムを考えたり、ウクライナからの避難民で、生活面・精神面で子どもたちをサポートできる保育士やカウンセラーを探したりしています。東さんは託児所の運営資金や物資調達のため、スポンサーを募集したり、関係各所と連携を取っています。しかし、長期化するロシアの侵攻は、ウクライナ国民だけでなく、支援を続ける人たちにまで、影響を及ぼしています。

東優悟さん「元々インフレとかもあったりとか、電気代ガス代が上がったりとかって、元々ポーランド人の生活は戦争前からテレビですごく生活が苦しくなってきてるっていうのがずっと流れてたんですよ。その中での今の現実なので、一般家庭にとってはより苦しい状況になってきていますし」

マルタさん「毎日24時間働いていて、家の中にいてもやはり支援というのが常に頭にあります。その中で、自分の時間を持つことや、気持ちをリセットするタイミングがありません。2~3週間ほどであれば問題がないと考えていましたが、既に戦争が始まって3ヶ月が経とうとしています。このように金銭面、体力面・精神面で限界を感じることもありますが、やはり、できるだけ多くの人を助けたいという気持ちが強くあり、自らを奮い立たせています」

ポーランド在住・東さん 託児所で自立した生活を支援へ

東さん、マルタさんたちに限った話ではなく、ポーランド国内では、「支援を続けられなくなった」という人が大勢いるそうです。苦しい状況にある今こそ「戦争被害にあった人たちの支えにならないといけない」という一心で、できる限りの支援をしながら、不幸しか生まない、悲惨な戦禍から目を背けてはいけないと、前を向きます。

東優悟さん「いかに日本の方々が支援をしたいと思っていただけるかというのを、私の方ではしっかり考えながら、託児所をできる限り運営していく。必要がある限り、子供たちが必要とする限り、しっかり運営していけるように頑張っていこうっていうふうにやってるところです」

東さんは自身のfacebookで支援のための支援を呼びかけています。