楽園の海案内は水中カメラマンの長田勇さんです今回のテーマは「楽園の海 日本で1番早い!? サンゴの産卵」です。
長田「今年は、西表島でサンゴの産卵に立ち会ってきました!」
長田「ゴールデンウィーク前の4月21日、西表島の白浜港からダイブ・ラティークさんのボートに乗り午後6時15分に出港します。港からおよそ10分。『七福神』というポイントに到着。サンゴの種類によって産卵する時間が違うため7時過ぎから潜り始めます」
4月の中旬でも産卵するんですか?
長田「サンゴが産卵する目安の水温は24℃くらい。西表島では3月中旬から24℃に達していたため、年よりも産卵時期が早まるのでは?と思い、4月の満月がらみの日程で狙いました。しかし、サンゴのポリプの様子を見て、早い時間帯の産卵はなさそうと判断。という事で、夜行性の生き物を探してみました」
長田「真っ赤なコモンヤドカリが活動を開始。日中は、岩陰に隠れているためなかなか出会わないヤドカリです。よく見ると背負っている貝殻はホラ貝です。体の大きなヤドカリのため、宿になる貝殻を探すのは大変だと思います」
オシャレで綺麗な貝殻ゲットしましたね!
長田「水中ライトが眩しかったのか、早足でその場を後にしました。生き物探しつつ、スタッフの渡会さんと一緒にサンゴチェックしてみると、産卵しそうなサンゴを発見」
なぜわかるんですか?
長田「よーく見てください。ポリプのところにピンク色の卵が見えてますよね。産卵1時間くらい前になると、卵がいつでも出られる状態になるんです。ここまで卵が見えていると、その日に産む!って判断できるんです。もうこの時点でワクワクドキドキが止まりません。産卵予想時刻は10時過ぎ。待っている間に、引き続き、寝ている魚の観察をしました。この魚は、寝ぼけているコクテンフグです」
かわいいですね!
長田「そしてこちらは、タカサゴ。これ、グルクンの仲間なんですよ。日中は群れで活動しますが、夜は単独で寝ます。体の色も日中は青っぽい色ですが、寝る時はこのように色や模様を変えます。。こちらはブダイの寝姿。瞼がないため、起きているように見えますが、しっかりと寝てます」
全然寝ているように見えないですね!
長田「スタッフの渡会さんが卵が出てきてる!と合図をくれました。午後10時20分、枝状ミドリイシの仲間のサンゴが産卵を開始しました」
綺麗ですねー!
長田「2022年4月21日、日本国内初のサンゴの産卵観察だと思われます。例年だと、ミドリイシの仲間のサンゴは5月の満月前後から産卵が始まるのですが、水温が24度に達する時期が早かったため、サンゴの卵の成長が早まったと思われます」
温暖化の影響かもしれませんね。
長田「昨年もかなり早めの4月29日に産卵確認してますが、4月21日にサンゴの産卵を確認したのは過去に遡っても、例がないほど早い時期での産卵なんです。まだまだ産卵したサンゴの数は少ないので、各地域、5月・6月の満月前後が一斉産卵の本番となります」
先週満月でしたよね?
長田「沖縄本島では、一部のサンゴが産卵してます。その時の様子を少しだけ撮影しましたので、ご覧ください」
長田「八重山地方では、一斉産卵が行われたとの報告を受けました。5月末の新月前後や6月の満月前後もたくさんのミドリイシサンゴが産卵すると思われます」
長田「様々な種類のサンゴが9月頃まで産卵しますので、機会があれば是非見ていただきたいと思います。!
今回もありがとうございました。以上楽園の海でした!