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妊婦の感染が過去最多のペースで増え続けていて、大型連休中の感染拡大に危機感が募っています。現場の産科医は「もはや、妊婦だけが気を付ける次元ではない」と感染対策の徹底を呼びかけています。

現場の医師が警鐘 「妊婦だけが気を付ける次元ではない」

県立中部病院総合周産期母子医療センター・大畑尚子医師「コロナ対応と通常のハイリスク妊婦さんの対応を、ひたすら並行して続けているという状況です」

今月に入って、新型コロナの感染がわかった妊婦はきのうまででおよそ350人と、過去最多のペースで増えています。

感染した妊婦の療養調整にあたる県立中部病院の大畑尚子医師は、多い日には一日でで20人を超える日もあり、対応に追われてるといいます。

大畑医師「一件ずつ電話をして状況をお伺いして、この人の今までのその妊娠分娩歴から、何がしかのリスクがあるかどうかも全部判断をして、そこから、どこの施設で、自宅療養可能なのか、入院をお勧めした方がいいのかということも判断。妊娠週数とそれまでの病歴と全部絡めて、どこの施設で受け持ちするかというのを決めて、割り振りをしている。それをさすがに1日20件とかやったら、普通の業務ができないのはわかりますよね」

去年8月のデルタ株による第5波と比べて、肺炎など症状の重い患者は少ないものの、1カ月間の感染者数は170人から350人に倍増しています。

感染した妊婦の出産件数が今月はおよそ20件と過去最多になる見込みで、子どもが産まれたあとも入院を続けて母体管理をしないといけないケースも増えています。

現場の医師が警鐘 「妊婦だけが気を付ける次元ではない」

大畑医師「率直に言うと、コロナ対応ばかりやっていて、自分の患者さんの話を聞けてないなとか、やっぱりもうちょっと見てあげないといけなかったのになとか。これにずっと追われ続けている周産期医療というのは、本来提供するべき医療の質を落としてないかという不安はあります」

大畑医師は、感染者がこれ以上増えないよう、妊婦だけでなく県民みんなが感染症対策を徹底してほしいと呼びかけています。

大畑医師「妊婦さんが気を付けてというような次元ではない。どこに行っても今、感染するリスクがあるという状況だと思います。全ての人が気をつけて、これ以上、流行拡大させないという意識を持っていただきたいと思っています」

現場の医師が警鐘 「妊婦だけが気を付ける次元ではない」