沼尻アナウンサー「まずは高校野球からです。県高校野球春季大会はおととい決勝戦が行われました。まったくタイプの違った2チームが春の頂点をかけ激突しました」
春季大会ここまでの5試合、相手に得点を与えない「守り」で勝ち上がってきた“沖縄尚学”。準決勝でノーヒットノーランを達成したエース・吉山太陽を中心に投手陣の自責点は0(ゼロ)!
対するは、4試合で奪った得点は53。打率.688を誇るリードオフマン・川端南海斗を先頭に打ち勝ってきた“沖縄水産”。盾と矛のチームが春の頂点をかけ、激突!
守りの沖尚、打力の沖水。注目の決勝は初回から試合が動きました。1回表、沖水は1番・川端が、クリーンヒットで出塁。
その後ノーアウト1、3塁とチャンスを広げ、打席には3番仲本海(かい)ライトへの当たりは犠牲フライとなって1点を先制。沖尚投手陣からいきなり得点を奪って見せると、さらにこのあと2アウト満塁となったところで牽制球がサードランナーにあたり、ボールは転々。その間に1人生還した沖水が2点をリードします。
対する沖尚は2回、先頭の5番バッター川満渚生(しょう)右中間の深いところでしたがスタンドイン。ソロホームランで1点を返しました。
試合前は緊張していたと語る沖水先発、上原昂也(うえはら こうや)でしたが・・
沖縄水産 上原昂也選手「打者陣が2点取ってくれてそこからいつも通り楽になってしっかり投げることができた。ホームランを打たれてもあせりなどは無かった」
後続を断った上原をさらに援護したい打線は直後の3回、6番の芳山海斗(かいと)
豪快なスイングではじき返された打球はライトスタンドへ。すぐさま突き放した沖水は5回までに4-1とリードを広げます。
さらに6回。沖水が1アウト1,3塁のチャンスを作ると沖尚は、準決勝でノーヒットノーランを達成したエース・吉山を4人目としてマウンドに送ります。その初球でした!
沖水・7番 玉榮大椰(ともや)がかわりばなを狙いすましたスクイズ。見事に決まり5点目。さらにこのあと8番比嘉秀慈(しゅうじ)にもタイムリーが出て6-1とさらに点差をつけました。
打線の援護を受けた先発上原昂也は、再三ランナーを出しますが文字通りあと1本は許さない粘りのピッチング。結果8回途中まで投げてホームランの1失点のみと沖尚投手陣のお株を奪う好投を披露。
沖尚の盾を矛で突き破った沖水が県春季大会では実に25年ぶりの優勝を果たし、今月23日からの九州大会に派遣されます。
沖縄水産 川端南海斗主将「沖水の今までの戦績の中でも沖縄尚学はライバル。そういうプレッシャーがあったのでより一層自分は気持ちが入った。夏に気の抜けないように頑張っていきたい」
沖縄水産 上原昂也選手「打たれても打たれても普通にいつも通りの平常心で投げ切れたところが良かった。夏はみんなで甲子園に行きたいので甲子園に行けるように頑張りたい」
また守りからリズムが乱れた沖尚は夏に向かい捲土重来を誓います。
沖縄尚学 前盛魁来主将「夏に向けて無駄な四死球を減らしていくのを課題として攻撃面ではチャンスでの力強さ。気の強さをもっともっと全体的に身につけてやっていきたい」
なお、決勝に先駆けて行われた3位決定戦宮古対前原は宮古が3回、4番の沖勇作(おき ゆうさく)が目の覚めるようなあたりの2ランホームランで同点に追いつきます。
しかし前原は3回と4回に犠牲フライで1点ずつを上げ4-2で勝って3位に。この結果、夏の甲子園をかけた沖縄大会の第1シードから第4シードまでが決まりました。