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去年4月から季節ごとに取材を続けてきた渡嘉敷島留学「わらびや」。いよいよ今回で1年の締めくくりとなります。

季節は冬から春へ移り変わり、旅立ちのときを迎えました。涙の別れと将来への夢と希望を胸に、島を出る子ども達の姿を追いました。

那覇から西に約30km、慶良間諸島、渡嘉敷島。島にも短い冬が来ていました。

渡嘉敷島留学「わらびや」冬、そして旅立ちの春

去年4月から始まった5人の子ども達の渡嘉敷島留学「わらびや」。1年間を過ごして、5人のうち2人がこの春をもって島留学を終えて、親元に帰る事になりました。

酒井しいさん「夜ご飯をみんなで食卓を囲んで雑談をしながら1時間くらいかけて皆で食べる、何なら2時間くらい。それがすごい毎日楽しかった。パンを作るのをここで体験して、すごい好きだなってわかって。(Q.ここでの1年が将来何かに生かされるかもしれない?)そうですね、大きくつながるような気がします」

名古屋から来ていた酒井しいさんは、島で経験したことを生かそうと農業や酪農、食品加工などへの道を考えているという事でした。

わらびやの朝は早いんです。島の学校生活を総まとめする修了式の日も変わりません。夜も明けない暗いうちから子ども達はニワトリの世話をし、卵を回収して掃除して。朝ご飯づくりも手伝います。

渡嘉敷島留学「わらびや」冬、そして旅立ちの春

渡嘉敷小中学校の修了式。

バレラシッド愛凛七(ありな)さん「1年間有難うございました、私は千葉に戻ります。皆と一緒にいろんな思い出作れて良かったです」

バレラシッド愛凛七さん「きれいだから自然が。いろんな体験させてもらって感謝してます。歌が大好きなので、歌の勉強を真剣にやるために千葉に帰ろうかなって」

バレラシッド愛凛七さんは、歌のレッスンのため渡嘉敷島と沖縄本島を行き来していましたが、船の欠航で島を出られず思うように練習できない日もありました。でも島で過ごした1年が歌のプラスになると信じています。

愛凛七さんの母・優子さん「共同生活っていうなかでいろいろな事を学んだなっていうのは感じる、いいことだけじゃなく、いろんな葛藤もあったり、精神的な成長を感じます」

帰る人あれば、残る人あり。3人の留学生がもう1年、島での生活を続けます。しかも3人とも受験生で、島で暮らしながら受験に挑むというのです。

渡嘉敷島留学「わらびや」冬、そして旅立ちの春

わらびや・坂田明子さん「自然体験もしながら留学もしながら受験勉強。万全とまではいかないけど欲張りに2つとも、自然と受験とやっていきたいと思ってます。私たちのプレッシャーもね相当なんですけど、その辺も含めてサポートしていきたいと思っています」

春休みに入って留学生たちは皆いったん親元に帰ります。子ども達の大好きなビーチでお別れ会が開かれました。

池辺大智くん「鳥さばきやホエールウォッチング、ライフセービング、ダイビングのライセンスを取ったり、いろんな事をこの1年で体験できたことがすごく良かったです。色んな人と関わりあってコミュニケーションを取るのがうまくなったかな」

酒井そらさん「(将来の夢は)昆虫食とかやって気づいたけど自然が好きだなと思うから、自然に関わったり環境を守っていく仕事をしたいなと思います」

藤原嶺人くん「今年楽しかったことは釣りです。来年度は受験生なので勉強頑張ります」

わらびや・坂田明子さん「今年はすっごい楽しい1年でした。皆がよく働き、あれもしたいこれもしたいって、目標を持ってくれたお陰でいろんな活動が出来たなと思います」

わらびや・坂田竜二さん「皆はこの体験が楽しかったあれが楽しかったって言ってますけど、まだまだ足りないと思ってます。自分のなかにある種をもっと掘り下げていく、やって欲しいなと思います」

渡嘉敷島留学「わらびや」冬、そして旅立ちの春

「わらびや」を経営する坂田夫妻。海のように深い愛情を(子ども達に)注ぐ明子さんと、イタジイの木のように力強く生きものを育む懐をもつ竜二さん。2人の長女で「わらびや」のメンバーでもあるれんかさんは来月から長崎県の五島列島に「島留学」することを決めています。

坂田れんかさん「小さい頃から留学生を迎えたり送ったりしてきて、どんな気持ちなのかなっていいなって憧れて、自分が行きたいなって思ったところを選んで」

坂田ほのかさん「(Q.いつか行ってみたい?)行ってみたいではあるけど、まだ渡嘉敷島の方がいいかな」

いよいよお別れのとき。留学生たちが島を後にします。学校のクラスメイト達も皆が見送りに来てくれました。

渡嘉敷島留学「わらびや」冬、そして旅立ちの春

わらびや・坂田竜二さん「みんな心がきれいな子でした。ガタガタやることが大事だった、ここで」

わらびや・坂田明子さん「落ち込んで寝込んでしまうことも実はあるし苦労も沢山あるんですけど…その分返ってくるものも多い、子ども達が育っていくのを見るのが私たちの喜びでもあるので続けて行きたい」

坂田れんかさん「1人1人が自分の役割を果たせてるかなって思いました」

坂田ほのかさん「わらびやで留学生と一緒に生活してきた中で、今回のメンバーが一番楽しかったなって思います」

島留学の1年が終わり、またすぐに次の1年が始まります。次は一体どんな年になるのでしょうか。