生後2カ月の時から養育してきた女の子の里親委託を児童相談所が解除したことに那覇市に住む夫妻が異議を申し立てている問題で、女の子の支援方針などを議論していた審査部会が「夫妻に一時保護を委託することは難しい」と判断しました。
里親委託を解除された・小橋川学さん「とっても残念ですね。本当に子どものことを考えないといけない機関がそういう答えを出すというのが」
小橋川夫妻は里親制度にもとづき、生後2カ月の女の子を引き取って約5年半、育ててきましたが里親委託を解除されたため、一時保護先を元に戻すよう求めています。
そうしたなか、3月22日に児童相談所を管轄する県から「女の子を預けることはできない」と連絡があったのです。
審査部会のコメント「児童が今後のことについて少しずつ前向きに捉え始め、それを支援する準備が進んでいるため、当該児童を里親へ一時保護委託することは難しいと判断しました」
女の子の支援や援助の方針を検討するために設置された県の審査部会は「一時保護委託は難しいと判断した」というコメントを出しました。女の子が一時保護先での生活に慣れてきていることなどが理由にあげられています。
議論の詳細は非公表で、医師や大学教授など専門家がそろった審議会には夫妻も呼ばれて30分間ほど意見の聞き取りが行われていました。
小橋川学さん「どういう風な心持ちでいますかみたいなことを聞かれて、それに対して、とにかく心配で心配でしょうがない」
県側がどんな説明をするのか県議会の場に注目が集まりました。
比嘉京子県議「この子どもの福祉・権利・育つ・愛されるこれ、今、満たされていますか?と聞いているんですよ」
県子ども生活福祉部・名渡山晶子部長「この子にとってどのような援助方針がこの先必要なのかを検討して、今後の支援にあたっていくということにしてあります」
比嘉京子県議「里親に対する支援であるとか、指導であるとか、寄り添うであるとかやるのが児相の役割ではないですか」
県は「専門職による見守りと健康観察を行いながら、援助方針を決定していく」と答えるにとどまり、里親と児童相談所が歩み寄れるような進展は見られませんでした。
審査部会は里親への支援介入不足があった児童相談所に苦言を呈したうえで、里親と児童相談所の双方に「児童のため、協力関係の再構築を期待する」としています。
小橋川学さん「僕らはこの子がとにかく健やかに成長できるような手助けがあれば、いくらでもやりますんで、とにかく子どものことを考えましょう」