普天間基地内にある消火訓練場で採取された水から環境水の指針値の576倍のPFASが検出されました。しかもその汚染水が、普天間第二小学校に向けて流されていることがわかりました。
ジョン・ミッチェルさん「この消火訓練場から普天間第二小学校の方に汚染水が流れています。
この資料はフリージャーナリストのジョン・ミッチェルさんがアメリカ海兵隊に情報開示請求を行って入手したものです。普天間基地の北側にある消火訓練場で1リットルあたり2万8800ナノグラムと環境水の576倍のPFASが検出されました。
訓練場は、普天間第二小学校からわずか250メートル。有害なPFASを含む汚染水は、子どもたちが遊ぶ小学校のグラウンドのすぐそばにある排水管を通り、民間地へと流されていました。しかも排水管をよく見ると接合部分がずれているのも確認できます。
普天間第二小学校 知念克治校長「こういうのが流された。学校のそばを通って流されたということを聞いて、場所を確認に来て、こんな5メートル、10メートルしか離れていないというのは怖いですね。ここから出てくる水とかに、子どもたちに近寄らせないよう、触らせないようにと注意してあります」
問題の消火訓練場では何十年も前から定期的に消火訓練が行われているのを付近の住民たちが目撃していました。
喜友名区老人会 新垣清涼会長「炎があがって、黒い煙があがって、そうすると消防隊が来て、消火訓練を始めるわけ」
元消防隊員 喜友名区民 呉屋信栄さん「直径10メートルくらいかな。大きい穴があって、そこに飛行機の残骸みたいなものが、真ん中に置かれていて、そこに油を張るんですね。油を張ったら火をつけて消火訓練をやるんだけどね」
おととしにはこんなことも。
アナウンサー「昨夜からきょう未明にかけ、普天間基地内で火柱などがあがる消火訓練が行われ、一時消防が出動する事態となりました」
2019年には深夜から未明にかけて大きな炎と黒煙が広がり、驚いた住民が消防に通報する騒ぎにもなっていたのです。消火訓練場に近い喜友名区にある湧き水、チュンナガー。国指定有形文化財にもなっていて今も区民およそ100世帯が簡易水道に利用しています。しかし県が行った2018年度の水質検査では指針値の40倍、昨年度には32倍を記録するなど、深刻な汚染が浮き彫りになっています。
PFASの汚染が出た時に、訓練との関連性は皆さんの中でよぎったりしていたんですか?
知念参雄前区長「泡消火剤が原因じゃないかということで、そういうのあったんじゃないかということで、以前のやつが流れ出てきたのかなという感覚なんです」
海兵隊はミッチェルさんの取材に対し2016年から泡消火剤を使っていないと説明していますが、それで汚染が収まるわけではないとミッチェルさんは指摘します。
ジョン・ミッチェルさん「海兵隊が泡消火剤の使用を止めた言っていることで、リスクが無くなったということではありません。消火訓練場では長く、泡消火剤が使われていました。それらは地面にしみこみ、基地の汚染を洗い流して、民間地に流れ込んでいますON:私は一刻も早く学校の近く、消火訓練場の周辺で汚染を調べた方がいいと思っています」
有害なPFASが含まれる泡消火剤が過去にどのように使われ、今は本当に使用されていないのか。小学校をはじめ、周辺地域の土壌調査や、住民の健康調査の必要性を求める声が上がっています。
2016年以降PFAS含有の消火剤を使ってないと軍は回答していますが、去年には消火システムの誤作動で泡消火剤が漏出し街中を大きな泡が漂う事故もりました。
また今年には、PFASが含まれる水を公共の下水道に流すという事件もりました。県民の不安不信感は拭い去れません安心・安全な水が軍によって汚染されている事実、国は、喫緊に解決されなければなりません。