県立中部病院感染症内科 椎木創一医師「皆大丈夫と思った中にポンとコロナの方がいるとか。そういったことから、要するに一つひとつ大きな患者さんの塊、クラスターが発生する。それが大きなうねりになれば、当然波になるということになりますので、年末なのか、年明けなのか、詳細は難しいんですけれども、冬に向けて増える。年末年始は人が動くからということですね。第6波はその時期に来てもおかしくはないと思っています。」
県立中部病院の椎木創一医師は冬に新型コロナの第6波がくる可能性が高いと指摘します。
県立中部病院感染症内科 椎木創一医師「今はここ2つだけ準備していますけど、流行の時にはこれと同じものが実はここにもついていた。向こう側の5床とこちらの2床、合計7床まで運用できるようにしていて、本当にそれがいっぱいになった時期もあったんですよ。」
デルタ株による第5波に見舞われた今年の夏は用意していた重症患者用のベッド7つ全てが埋まってしまうなど危機的状況に陥ったといいます。
県立中部病院感染症内科 椎木創一医師「ここが本当にコロナの患者さんでいっぱいになった時に、コロナでない重症の患者さん一人診られるかどうかになってしまったんですね。」「コロナの流行している時にはここ全部がコロナの患者さんを診る病床だったんですけど、今は半分ここからここまでこのエリアの方をコロナの患者さん用の病床として準備しているという状態ですね。」
緊急事態宣言の解除から1カ月県立中部病院に入院している新型コロナの患者はきょう時点で2人にまで減りました。感染が急拡大した時期には2つあった「コロナ病棟」も1つにしたほか、ICUに用意していた「重症患者用のベッド」も2つにしています。
医療の体制がようやく安定してきたのに第6波が起きてしまえば、第5波の時と同じような状況になってしまう可能性があるといいます。
県立中部病院感染症内科 椎木創一医師「医療現場って限界があるんですね。どういうことかっていったらベッドはこれ以上増やせませんよとか、これ以上入院できませんよと上限がかならずあるので。僕らは仕事として忙しくなるけど、忙しさの限界は超えようがないんですよ。で誰がひっ迫して困るの?実は医療でなくて、皆さんなんですよ。受診したいときに受診できない。きついけど、自宅にいなきゃいけない。ほんとは予定していた手術があるんだけど、延期されちゃったとか、そういうのは実は医療が困っているというよりは、皆さんが困っちゃうんですね。これ完全に手遅れだと思います。」
今年も残すところ2カ月忘年会や新年会で職場・親族・友人などと接する機会が増える時期を迎えようとしています。感染がリバウンドして生活を制限する事態に逆戻りさせないためにもこれまで積み重ねてきた基本的な対策を徹底して続けていくことが重要だと訴えています。
県立中部病院感染症内科 椎木創一医師「増えたら頑張る、減ったら緩めていいという気持ちの波が流行の波を作ってしまうと思っています。私は第6波は起きてほしいとは全然思っていないですけど、起こさないように、減らすようにするんであれば、実はもう今からやるべきです。要するに今やるべきことをずっと淡々と続けておければ、もしかしたら大きな波を起こさないようにできるかもしれない。」