楽園の海、案内は水中カメラマンの長田勇さんです。今回のテーマは「タイドプールで潜る!」です。
長田「今回は、最大水深2mの世界をお届けしたいと思います」
長田「恩納村のとある海岸です。フィールダイブの宮原さんに案内をお願いしました。まずは、潮が満ちている時間帯に潜ります。水深は2m。早速見えてきたのは、黄金色に輝くスクの群れ。生まれって1ヶ月ほどのサイズでしょうか」
水中に泳ぐスクって黄色く見えるんですね。
長田「海藻を食べた後のスクはこのような色になります。うみんちゅのボーナスと言われているスク。誰にも捕まらずに逃げ切ったスクを、一人追い込み漁してみました」
長田「気になったのは、真っ白なサンゴ。インリーフは、外側より水温が2℃〜5℃も高めなんです。サンゴの中には褐虫藻という植物プランクトンが共生しています。褐虫藻は、高水温が続くと、耐えきれずにサンゴの外に出て行ってしまうため、緑や茶色といった色素を持った褐虫藻がいなくなったサンゴは、どんどん白くなっていくんです。水温が下がれば、色も戻ると思います」
長田「潮が引いてきたタイミングで、宮原さんがある生き物を教えてくれました。体長8cmのホホグロギンポです。この水深になると活発に動き始めるんです。暖かい水と冷たい水が混ざり合ってできるサーモクラインが発生してます。ボヤけて前が見てなくなる感じになるので、撮影は困難を極めます。手前は婚姻色を出しているオス。奥からは2匹のメス。自分の穴へ導ければ、カップル成立となりますが・・・」
あら、穴に入っていきましたよ!
長田「カップル成立しましたね!こちらも1匹がようやく入れる穴に無理やり2匹入ってイチャイチャしてます。愛を育んだ結果、無事産卵したカップルも」
長田「宮原さんの指差す方には、体長5cmのロウソクギンポです。可愛らしい顔してますね。このギンポ、オスの求愛が面白いんです。顔を真っ黒にしたオス(婚姻色)は体を上下に動かして、メスにアピールします。頑張って踊ったオスの穴に、メスが導かれました」
おーお尻から!ははは!
長田「さらに潮が引きました。水深10cmの世界を撮影しました。辺りをキョロキョロする手前のオス。一番頑張って踊ってたので、個人的に応援していたんですが…。残念なことに、真ん中のオスの穴にメスが入ってしまいました…。近くには、メス5匹がいたにもかかわらず、このオスのところには一度も来ませんでした」
あらかわいそうに、穴に隠れちゃいました。
長田「まもなく大潮の最干潮時間が迫ってますが、こちらでは、ちょっとした悲劇が…。住んでる穴の入り口が、水面から出ちゃいそうになってます。見ていても、ハラハラドキドキです。最干潮の時間となり、完全に出ちゃいました。そのままだと干からびちゃう。ようやく脱出した!っと思ったら…戻ってきました」
あら戻っちゃった。
長田「さーどうする??ジャンプ!無事脱出できました」
良かった~!
長田「撮影前はこんなに潮が満ちていたのに、撮影後はこんな感じで、すっかり干上がってました」
長田「上から見たら、水溜りのような海ですが、面白い光景をたくさん見る事ができました」