新型コロナの感染拡大によって小さな離島では生活や医療、さらには経済の面で大きな影響を受けてしまいます。座間味村では先月起きた感染の急拡大によって村全体が不安や危機感に襲われたといいます。
宮里哲 座間味村長「観光客の皆様と村民の方々の距離も色んな意味で近いと思います。そこが逆に今回の感染症の場合は裏目に出る可能性もございます」
先月、人口900人ほどの座間味村では新型コロナの感染が急拡大しました。先月2日に1人の感染が確認された村では18日から24日の1週間ほどで10人が感染するなど8月だけで21人(すべてが軽症)と1カ月で最多となる人数が確認されました。
観光関連で働く人「(先月)飲食店もビーチも港に行った様子とかもそうですけど、とにかく人が多かったので、どんどんちょっと不安になって、ほんとに身近なところに迫っているなっていう危機感でいっぱいでした」
宮里村長は「観光客による感染拡大」だけではなく、「住民が島の外に移動することで、持ち帰ってくる可能性もある」と水際対策の難しさを指摘します。
宮里哲 座間味村長「脆弱な医療体制ですから医療従事者が感染をしてしまったら困るという状況もあったので、村内の医療崩壊といいますか、まず医療従事者を守らないといけない」
有人島が3つある座間味村は座間味島と阿嘉島に診療所が1カ所ずつあって、それぞれに医師と看護師の2人しかいません。
村では医療従事者が感染することによる医療崩壊を防ぐため先月23日から31日までの間、電話診療のみ行いました。
そして、座間味村の問題は医療だけではありません。感染症対策に加え、観光などのサービス業に9割以上の人が従事しているため、医療の維持と島の生活のバランスをどう保つべきなのか頭を悩ませているのです。
観光関連で働く人「お客様、観光客の方が来て下さることで島が成り立っているところもあるので、ぜひ来てくださいとも言えないし、来ないでくださいっていうのもいえないしっていう本当に難しいところですね」
新型コロナ前には観光が賑わいを見せる8月だけで1万5000人を超す観光客が訪れていましたが、今年はその半分以下7401人(去年4910人)と今年も夏の観光シーズンを逃した形となりました。
観光関連で働く人「補助がしっかりでるのであれば、完全にお店を閉めて人の動きがないように協力できればと思うんですけど、ただそういうわけではないので、感染防止対策を徹底して、営業するっていうことしか難しい状況かなと思います。」
宮里哲 座間味村長「安心安全、村民健康第一だと思うんですけど、それと合わせて経済活動が成り立たないとこれから先の各事業所、村民の皆さんの生活に関わってくるというところで、本当に悩ましいですね」
座間味村だけでなく、小さな離島では感染が拡大すると瞬く間に日常が奪われてしまいます。新型コロナの対応が長期化している今だからこそ改めて一人ひとりの意識を引き締めなおしていく必要があります。